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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第三章(一)
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カレーの街

https://note.com/yokoze_asahi/n/na8a5cb3380c0

 船を下りたのは昼過ぎだった。食事をするのにちょうどいい時間だと思い、私はフェリーターミナルの食堂へ入った。


水を持ってきた給仕に「おすすめは何か」と尋ねると


「ここはカレーの街ですから、カレーライスはいかがでしょうか」


と言われたため、この地域で「海軍カレー」と呼ばれているものを注文した。


外の景色を見ながら水を飲み、料理が届くのを待つ。


少し前まで晴れていた空は、いつの間にか雲がかかっていた。


 しばらくして、注文した料理が運ばれてきた。


カレーライスに、サラダと牛乳をセットで出すのがこの地域の習わしだと給仕は言っていた。長い航海で曜日感覚を失わないため、決められた曜日に食べるのが旧海軍の習慣だったらしい。


 私はまずサラダを平らげ、次にカレーライスを食べ終わってから牛乳を一気に胃へ流し込んだ。辛かったが、とてもおいしかった。


代金を支払い「ごちそうさま」と一声かけてフェリーターミナルを後にした。


 私は駅に向かうことにした。バスの便があったが、町を歩いてゆっくり見たいと思い、徒歩で駅へ向かう。


まだこの国が鎖国をしていた頃、米国から船がこの港に来航し、開国のきっかけになった場所。


 三十分ほど歩いて駅に到着した。外観だけを見ると、大きなショッピングモールのようだ。


切符を買い、改札を通って階段をのぼり、プラットホームに佇む。


悲しげなメロディがプラットホームに響き渡り、まもなくして電車が流れ込んだ。


赤いボディに、白いラインが太く入っている電車に私は乗り込んだ。


「ファソラシドレミファソ〜♪」


赤と白のそれは、音階を奏でながら走り出した。

久里浜港レストランコーラル


実際は食券

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