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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第三章(一)
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フェリー来航

https://note.com/yokoze_asahi/n/n484ac0a98783

 フェリーターミナルにたどり着いた私は、向かいの半島までの片道の乗船券を買い、船の到着を待っている。


建物の外ではこれから乗船する自動車が数台待っていた。


 二十年ほど前ではあるが、こちらの半島から向かいの半島まで自動車専用の橋がかかった。


通行料金がフェリーよりも安く、手間も無く通行できて、渋滞さえ無ければフェリーよりも早い。


車で半島を渡るのであれば圧倒的に橋の方が良い。さらに、橋を経由して都会の方まで走るバスの便が作られ、徒歩で乗船する人も少なくなった。


この二十年でフェリーの利用者は激減した。


わざわざこの経路で半島を渡る人間というのは、よほどの船好き、交通機関愛好家、または自転車乗りくらいなものだろう。


しかし、私のようなお尋ね者が追手の裏をかくにはもってこいの交通機関だった。


 防波堤のそばに建つ鐘のモニュメントの横で海を眺めていると、船が港に近づいてきた。


建物に入り、着岸と改札を待った。


しばらくして改札開始のアナウンスが入り、人気ひとけのない土産物屋を横目に改札へ向かった。


係員に乗船券を渡すと、港の名前が書かれたスタンプを押された。


 タラップを渡って客室に入り、売店に寄って練乳が入っている甘い缶コーヒーと鶏の唐揚げを買い、進行方向に向かって左側の窓際の座席に腰を下ろした。


 離岸した船は、向かいの半島へ向けて青い海を真っ直ぐ進む。


食べ物と飲み物を平らげると、外の様子が気になったため客室の外に出た。


 すると、とても強い風が吹いていた。冷たい外気がさらに冷たくなり、とても寒い。


まばらな人。傍らに、カモメに菓子を投げている中年の男性や子供が居た。


 私は約四十分の航海をした。


廃止された火力発電所の煙突を横目に、お尋ね者を乗せたフェリーが来航した。

東京湾フェリー


金谷港→久里浜港

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