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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第三章(一)
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サッド・マシーン

https://note.com/yokoze_asahi/n/n6b42557d49e4

 フェリー乗り場を高台から探そうと山の中を歩いていると、道に迷ってしまった。


こんな山奥にどうやって運んだのかわからない色々な重機が放置されて、茶色く錆びていた。


 そんな中で『誰かいませんか?』という機械音声が聞こえたため、音のする方に向かうと、スマートフォンのようなものが落ちていた。


手に取るとその機械は『あ、こんにちは!』と声を出した。


「どうしたの?」と聞くと


『私はこの山を案内している端末ですが、持っていた方がここで落としてしまったようです。もうすぐ電池が切れてしまいます。どうか山頂にある充電器の場所まで連れて行ってもらえないでしょうか?』


「道知らないけど」


『案内しますので、安心してください。あなただけが頼りなんです。お願いします』


山頂まで行けばフェリー乗り場が見えるだろうか。運良く道案内をしてくれる機械を見つけて、山頂を目指すことになった。


「この山、標高はいくつなの?」


『海抜三百二十九メートルです。』


そこまで高くはない。しかし、段差は急で、足場が悪い。足を踏み外せば、体勢を崩して滑落する恐れがある。


 山頂に着くころには息が切れて足がふらついていた。


山の管理人が駐在している詰め所に端末を返却し、展望台からフェリー乗り場を探した。


山頂から見た高速道路を走る自動車はゴマのように小さく、鉄道駅は米粒のように見えた。


「あそこだな」


海側に目を向ける。向かいの半島に進む船が立てた白波の跡を辿ると、フェリーターミナルと思しき建物が見えた。


 道中で他の人と会うことは無かったが、山頂には大勢の人が居た。


ここには、地獄覗きと呼ばれている名物がある。


断崖から突出した岩の上が名物のそれだが、高い所へわざわざやってきて「地獄」と呼ばれている場所へ人々が列をなす光景は、見ていておもしろい。


 私はロープウェイに乗って山を下りた。


添乗員がフェリーの目的地である半島や、ロープウェイから見える離島の紹介をしていた。

鋸山

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