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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第一章
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1

https://note.com/yokoze_asahi/n/nfa0b343af768

 親方を大ハンマーで殴って職場から逃げてしまった。血を出して動かなくなっていたが、もう死んでしまっただろうか。


職場からまだ電話は来ていない。職場の人間は親方が作業場の奥で倒れているのをまだ見ていないのだろう。


 二年半一緒に仕事をしていた。最初のうちは、厳しい教え方をする人だと思っていたが、最近になってただ機嫌次第で当たりにきているだけだと気づき、とうとう頭に来て手を出してしまった。


 これから長い逃亡生活になるかもしれない。名前と電話番号を変え、免許証も偽造しよう。


旅行が好きだった私は、過去に訪れた地名で人名にできそうなのをパッと思いついた。苗字と名前、それぞれ別の二つの地名を借りて


横瀬よこぜ あさひ


字数も語感も良いと思った。これからはこの名前を使おう。


 かなり長い距離を走った気がする。酸素が肺に全然入らないのは喫煙者だからだろうか。嘔吐した。都会人は地べたに座っている私を気にしていないようで安心した。


 呼吸をととのえて気分も良くなり、しばらく歩いていると駅の出入り口があった。とても小さな出入り口だが、ターミナル駅の名前が書いてある。


これからどこへ行こうか、より広く、遠くへ時間をかけて逃げ回れるようにフリーパスを買った。とりあえず南に逃げよう。きれいな海がある。いつも見ている灰色の海ではなく、遠くから見ると青くて、近くで見ると透明な海が。


私の逃亡は、ここから始まる。

東京駅の京葉線に近い出入口

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