第7話 嫁が増えた
「おい!」
「あ、なんですか」
「昨夜は迷惑を掛けたのじゃないか?」
「いえ、だいぶお酒を召されていたようですが」
「ふん、酔わなきゃ寝ていられるもんじゃない。まったく煩い」
「そうか、なるほど」
「あなたも火の国に?」
「うん、仕事があるって聞いてな」
「ええと、オレはオーマ、それとミリアにミャミです」
「オレはルキル、トルキアの戦士だ。ガハハハ・・・知らない?」
「すみません」
「ち!」
追いつかれ何となく一緒に歩いた。
「お昼時だよね、休憩所があるわ」
「どうです、ご一緒に」
「ああ、ま、いいか」
魚のフライと野菜を挟んだパンに、煮込みシチュー、セットで十ピルと安い、ルキルの分も支払った。
「悪いな、実は昨日飲みすぎで銀貨とられたんだ」
「20杯も!すご~い」
「ねえねえ、なんで酔っぱらわないと寝られないニョ?」
「し~」
ミャミはミリアに耳打ちされ納得?
大人が何やってるか知らないって言ってたくせに。
「それじゃあオーマ様のお嫁さんになればぐっすり寝られるニャン」
「あのさ~オレは誘われたこともない」
「オーマ様ならメチャ優しいから、きっとお嫁さんにしてくれるニャン」
「お、い!」
ルキルが赤くなったのでバツが悪い。爆乳に良からぬ事を考えて股間が・・・。
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「はい、いらっしゃい」
「夕食朝食付き一泊で一部屋」
「広いベッドの部屋もありますぜ、銀貨9枚前払いね」
金を払う。
「一番奥の左、夕食はすぐに食べるかい」
「ええ、お願いします、荷物を置いてきます」
「旦那、嫁が三人なんてさ、うらやましいぜ」
「うう」
夕食は不味くはなかった。
ルキルがめちゃ赤くなって、部屋に戻ってもなんか変だ。
「レッドドラゴンの件は内緒だよ」
「ビックリした、あの噂は本当かも」
「え?」
「卵を盗まれた母親が探し回ってて、あちこち被害が出てる。退治ってことなら戦士は必要じゃね?」
「そうか~ピピのママかも知れないね」
「急がなきゃいけないな、なんか手はないかな」
「それより、ルキル、防具は外して」
「あ、う」
「ヌギヌギ、オーマ様が巨乳をチラチラ見て気に入ってるってわかったの」
「あたしも気がついたニャン、ニャン」
「ううう、ま、こうなったのも縁だ?」
ルキルは真っ赤、くたくたになって目を閉じてスヤスヤ寝てしまった。
「マジか!」
「オーマ様の嫁が増えるのは素敵なことニャン」
「素敵なオーマ様だから、たくさん嫁がいなくちゃね、うふん、おやすみなさい」
「お休みニャン」
「え、え、え~~~」
「あん・・・お早うございます」
「あ、やあ、ルキア、ぐっすり寝られたみたいだね」
「えへ、オーマ様ったら、エッチ」
「エッチ?おう?え?」
「オーマ様にお仕えさせてください、毎日一緒に寝ないと死んでしまいます」
「わ、わかった、嫁になったんだから」
「ああ、ああ、嬉しい」
確認するとHPが3UP、超爽快な目覚めだった。
宿の食堂で隣の旅人がヒソヒソ話、なんか急いで朝食を食べ出発した。
「ルキル、オーマ様のお嫁になってよかったでしょ」
「うん、ありがと」
「ニャンニャン」
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「ピピピ~~」
「あ!ピピのご飯を忘れてた」
「そうですよ、オーマ様、お急ぎになるから」
街道をそれて人目につかない林の中に入った。
「ピピ~ピ!」
「そう怒るな、もっと大きいのを食べるか?よし」
『キロファイ』
「ピ?ピピピー、ピッピ~」
「わあ、凄い、美味しそうに食べてる~」
「口が大きく開くようになったな、よしよし」
「ピピ、ゲップ」
「キャハハハ、お腹が膨れてる~」
「ゲップ」
「わ、アチチ」
「食べ過ぎかな、ちょっと火を戻しちゃったね」