第6話 宿場町
「なるほどなあ、夕方に着いた」
「宿屋はそこを曲がってすぐ、食事も良いニャン」
「よし、そこにしよう」
それらしい女が立っていて一人旅の男が声を掛けていた。
エッチなことを考えてしまう。
「はい、いらっしゃい」
「夕食朝食付き一泊で一部屋」
「三人なら銀貨6枚前払いね」
「はい」
「手前左の二番目ね、夕食はすぐに食べるかい」
「ええ、お願いします、荷物を置いてきます」
「旦那、嫁が二人たあ、うらやましいぜ」
「うう」
防具と武器を手に入れたかったが、マイン村の道具屋に良いモノが無く高価だったので、ナイフ用の鞘ベルトだけ購入していた。
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「ピピに食事をさせるから先に行っていて」
「はあい」×2
「ピピ」
人目があり、顔を引っ込めるさせていたピピが袋から出て伸びをする。
「ごめんな、ちょっと育ったか、もうちょい多めに食べる?」
「ピピ、ピー」
五コで満足、ベッドに丸くなった。
「みんなで寝られるベットだけど、左右で十二部屋もなんて狭いわけだなあ。鍵もないし、プリテクトをかけておくか」
宿の食堂は酒場でもあり、宿泊者以外も多く不用心だ。唱えた者以外には開けられない魔法をドアにかけておく。
「酒は一杯5ピルだよ」
「いや、水で良いよ」
「そこの水差しから飲み放題だ。ちぇ!」
「オーマ様、美味しそうだよ」
「うん、いいにおいだ、いただこう」
「いただきま~す、美味い、白身魚のスープ最高」
「確かに香草が効いて美味いなあ、パンも旨い、ご亭主やるね~」
「カカアだよ」
「呼んだかい」
「お客さんが料理を褒めてくれたぜ」
「ありがと~あんたぼやぼやしないの、向こうのテーブルで酒だよ」
「わかってるよ、うるせえな」
「キャハハ」
「ねえねえ、あのお客さん、カッパカッパ凄く飲んでるニャ」
「亭主さんは嬉しそうね」
「どこ?」
「後ろの・・・ジロジロ見ると怒られそう」
女戦士、胸のプロテクターがメチャ膨らんでいて長剣を背負っている。
「明日は早めに出ましょう、もうちょっと明るいうちに宿場に着きたいわ」
「平地は歩きやすいけど、少し焦ったニャ」
「ああ、そうだな、日が落ちると暗くなるのも早いなあ」
あれこれ喋り料理を楽しんだ。
「ごちそうさま~」
「また泊まりに来たいね」
二階に上がると大きな音、酔っぱらい女戦士がドアを開けようと挌闘していた。
「すみません、そこはオレ達の部屋だけど」
「ん!二番目だぞ・・・」
「右じゃないですか?」
「ええと、オレの・・・メンゴメンゴ」
バンと締まりすぐにいびきが聞こえてきた。
「なんかがさつな女」
「いやね~」
「プリテクトですか?」
「うん」
「さすが、オーマ様」
「明日早いならすぐに寝ましょうよ・・・うふん」
「ううう」
薄い壁で大人達の嬌声が聞こえてきてよからぬことを想像する。
やっぱり抱きつくけどスヤスヤ、モンモンして目を閉じた。
「あ!あれ?」
「どうなさったの?」
「いや、なんでもない」
朝起きて手鏡でステータスを確認したら知らない間にHPが6UP。
女の子と寝ると上がるのか?
ジャムパンと果物ジュースの朝食も美味しく、まだ薄暗いうちに出発した。