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ライアース  作者: 日川文月
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第5話 パーティなのか?

「オーマ様~~」

「お、泣いてるねパパ・・・が」

「本当に本当に本当にありがとうごじゃいましゅニャン」

「も、もう、そのへんで」

「身代金が用意でき、指定の場所に行くところでした」

「お兄さんが責任を感じているようですが、無事に終わったことですから」

「はい!このご恩はどのようにしたら?」

「路銀が取られていたようです。お貸し願えれば後で倍にしてお返しします」

「金貨10枚ほどお貸しいただければと」

「それでは気がすみません、身代金の金貨200枚をお受け取りくだしゃいニャ」

「それは困ります」


「あのニャー、パパ、ミャミはオーマ様にお仕えしたいニャ」

「ニャ、ニャニ!!」

「お願い、オーマ様~~」

「オーマ様、この子から全部聞きました。一緒に寝てることも」

「ひ!」

「ミャミと金貨15枚を差し上げます。どうぞお受け取りくださいませ」

「お、おまえ~」

「あなたはお黙り!」

「そんニャー」


「オーマ様、どうして?」

「い、いや、家の人が」

「パパもママ以外に二人の嫁がいるニャン、えへへ」

「一緒に寝たらお嫁さんになれるんですものね」

「あたしもニャン、キャハ」

「そ、そういうこと?」

「嫁は夫のベッドで寝るのが普通ですわ、うふん」

「う!そ、それだけ?」


 一夫多妻が普通で大人になってから儀式で子どもが産まれるそうだが、エッチなことは、キョトンとして何のことかまったくわからないらしい。

「そ、その儀式って?」

「さあ、大人はその時が来ればわかるって」

「何時大人になるんだ?」

「さあ、そのうちじゃないかしら」

「へ?」

「そうだニャン、さ、オーマ様、寝ましょう、お休みなさい」

「お休みなさいませ」

 二人は左右にしがみついてスヤスヤ、相変わらず可愛いが、股間が・・・。

「やっぱ、エロゲーじゃないのか。ううう」


 ーーーーーーーーーー

 翌朝は旅の支度も調っていた。

「火の国はゲルニアの東南、20キロ先で街道が別れています。火の国の太守タモ様は話のわかるお方、ピピを連れて行けば恩賞を貰えると思いますわ」

「回り道になるけど良いだろ、ミリア」

「ベルンにピピを連れて行くのも憚れます、火の国から北往きの街道を進めばと」

「いつでもお待ちしてますから、またいらしてください」

「ミャミ、パパ寂しいニャン」

「あたしも、だけど、オーマ様のほうが好き~」

「うううう」

「はいはい、どうぞ行ってらっしゃいませ」

「行ってきま~す、みんなも元気でね~」


 兄弟姉妹とハグハグ、みんな尻尾が左右に揺れ微笑ましい。

 野鶏や川魚や野菜の料理に穀物パンの朝食は最高に美味しかった。

 通貨は金貨一枚で銀貨百枚、銀貨一枚で銅貨ピル百枚、金貨一枚は現実世界の5万円ぐらいの価値で、年収二年分の身代金を集めるのは苦労したらしい。

 街道でリアカーのような道具に荷物を載せて引くのを見かける。

 獣人の国でも人族の旅人は多く行き交っているようだ。


「火の国までは十日、宿場町も一日間隔にあるニャ、火の国からベルンまでも同じニャ、直行の街道は十五日くらいだけど険しい山道でかなりキツイニャ」

「それも迂回する理由ね」

「ピピは卵で盗まれたけどママを覚えてるかニャ?」

「匂いでわかるらしいよ、な、ピピ」

「ピーピーッピ」

「子どもだからまだ羽も小さいのね」

「大きくなるには火山に飛び込まなくてはいけないらしい」

「いっぱい火を食べるのね」

「ブラックドラゴンは氷の国、ブルードラゴンは水の国、イエロードラゴンは砂の国、グリーンドラゴンは風の国ね」

「ドラゴンスレイヤーって噂では聞くけど」

「竜使いのことだよ、マークはそれだった」

「そんなお友達がいらっしゃるなんて、さすがはオーマ様」

「ま、まあね」


 魔導師プルマ、戦士ジュオウ、賢者ピコ、竜使いマークもこの世界に居るのか?

「あれは、大荷車ですわ」

「そ、そうか、力仕事はオーガが請け負っているのか」

「百人力だものね、温和しいし優しいもん、好きニャ」

「遅いけどね、穀物運びは百年前の街道整備で楽になったんですって」

「そうニャ」

「そろそろお昼にするか、あそこの草原に丁度いい岩場がある」

「はあい」


 旅人のための休憩所で屋台もでていた。

 昼時なので十数人がオニギリ、料理や飲み物を買い求めていた。

「一杯三ピルだよ、いらっしゃい、いらっしゃい」

「安いね、三杯くれ」

「へい、旦那」

 ママさんが持たせてくれたオニギリと買い求めたスープで昼食にした。

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