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ライアース  作者: 日川文月
33/36

第33話 トキオ

 その日、ドラゴンたちの急襲で各アジトの海賊団はあっけなく壊滅。

 近くで待機していたイング国とフラン国の軍船が到着。

 夕方にはポルトとイング国内で行方不明の三十七隻が確保された。


「行ったわ、凄い速度で」

「シルバードラゴンじゃない?」

「だな。到着場所を特定したらアジトを強襲する。テレウィンで指令を出す」

「できるだけ捕虜をってグリーンドラゴンたちに言って」

「わかってるよ、彼らは命を奪うのは好まないが、怒ってるからね」

「ブラックドラゴンも来るの?」

「ええ、シルバードラゴンに恨みがあるらしいわ」

「十個所が海賊団の全てだろう。武装解除して情報を得る」

「お~」

 丸一日動いてシルバードラゴンは止まった。

 やはり、東の最果ての地、地図に名前のあるトキオだった。


「トキオに乗り込むのですか?」

「うん、竜使いの一味が居るだろう」

「逃げてない?」

「テラウイン結界でテルウインの手紙は落ちたはずさ。

 アース号でテラカルカルとテラウインドなら、ドラゴンの五倍の速度だ。

 昼過ぎには到着だ」

「オーマ様は最高魔法と伝えられているものまで使えるのですか?」

「殆ど全ての魔法はマスターしている」

「・・・まさしく、勇者様・・・もしや勇者オサマオトス様!はは~~」

「そんなはずないだろ、さあ、立って、すぐ出発だ。

 朝食も昼食もオニギリにしよう」

「はい、用意して貰ってました」

「ありがとうアルナ、さあ、ルキル、ミュミ、イルナ、ミリア」

「はい!」


 ーーーーーーーーーー

 アース号に乗り込み出航、湖の中程で朝日に向かって飛び立った。

「こんなにスピード出して大丈夫なんですか?」

「テラテクトはどんな衝撃にも耐える。MPはかなり消費したけど・・・」

 手鏡で確認、ミュミのMP回復ポーションを十本、1000MP分を補充した。

「ゲップ・・・あまり旨くないよね、苦い」

「ニャハハ。一番まずいニャ」

「朝食入りますか?」

「遠慮せずに食べて、ちゃんと寝たからフルHPだし」

「は~い」

「身体軽すぎるから気をつけて動けよ」

「それおそいもん、頭ぶつけまくり」

「あちこち手すりがあるわけね」

「操舵輪の足元もだわね」

「ニャハハ、尻尾があって良かったニャン、両手が使えるもんニャー」

「器用だわ」

 昼にも十本飲んでフルMP近くまで回復した。

 MPは一日に消費すればするほど最大値がアップする。

 大魔法は使う機会がなくこの頃増えていなかった。


 ーーーーーーーーーー

「詳細地図ないから、そろそろスピードを落とすよ、捕まって」

「はい!」

 重さと風量を調整、湾奥に回りこみ、近づくと手鏡のキロダーレ。

「あ、大きなお城?!」

「う~む」

 あの天守閣は他地方にはない。

 ギガステルスで見えないアース号を着水させる。

「帆を下ろして、ルキル頼む」

「アイアイサー」


 港内まで艪で進み、観察した。

「エルフばかりかなあ」

「うん、人族や獣人族はまったく居ないわ」

「オーガやドワーフはあっちに居るよ」

「獣人族は五感が優れているね」

「オーマ様、左に桟橋があります。漁船や客船・・・小さくて異国風だわ」

「左に進路を取って」

「アイアイサー」

「ルキル、左の桟橋に行くよ」

「アイアイサー」

「普通に生活しているようだわ」

「うん、ダーレで確認した。敵はあの城の天守閣にしかいない」

「まだギガステルスは有効なんですよね」

「テラテクトも解かない限り保つ・・・人気のない離れた桟橋に停めておこう」

「アイアイサー」


 ーーーーーーーーーー

 停泊、ロープで固定して装備を調え上陸した。

「誰か事情通を捕まえて様子を聞くことにしよう」

「道具屋か宿屋ですね」

「うん、おっと、ぶつからないようにしないと」

「普通ですかね」

「ああ、貫頭衣というものだよ、穴のある大きな布をかぶって、ベルトで留める。男はステテコをはいてるな」

「変なの」

「気温が低いのかしらね」

「あそこにそれらしい看板があるニャ」

「ん?」

 城下町の建物は平屋が多い。看板を当てに窓から覗いたらビンゴだった。

「オレは姿を現す魔法をかけるけど、お前達はこのままで」

「はい」

 ドアを開けながら呪文を唱えて姿を現す。

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