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ライアース  作者: 日川文月
29/36

第29話 ポルト

「香辛料が効いてるニャン」

「これはこれで美味しいわね」

「風の国から様々な香辛料が来るんですよ」

「あ、そうか、交易してるんですものね」

「精錬したオリハルコンに見合う高額な商品製品です。

 山越えの街道で運びきれないオリハルコンはギザから運河の曳き船で・・・」

「港で見た船は200トン級が多かったけど」

「大山脈の続きの火山島が広範囲にある魔の海域なんですよ。

 調査も進んでおりません。

 航路として指定された水路を進まないと・・・。

 かなり狭いので大きな船は座礁の危険があります」


「なるほど」


「大回りすればいいかもしれないです。

 探索の冒険者もおりますがなかなか」

「ず~と西に行けばアフロ大陸に着くんですよね」

「と考えられます、イング国から西に行けばアフロ大陸につきますから。

 ところで、海賊団の存在が確認されたとか、オーマ様の名前も聞こえてます」

「はい、あまり公にはされていませんが・・・」


 王子王女行方不明事件の顛末と海賊船の情報を話す。


「照会のあった海賊のボートは、行方不明のパルマ号に積まれていたもので間違いなさそうです。

 製造プレートは外されていましたが、イング国リバブの工房の職人に見せたところ製造工程でやり直したところがそっくりと言うことです」


「何隻が貿易にたずさわって居るんですか?」

「三十隻です。航程は十日で日毎に出航と着港というように廻っています」

「行方不明船のリストで航行日の偏りがありませんか?」

「どうやら月の暗い時期、岩礁が見えなくて座礁沈没かと推測していました」

「ふむ、行方不明船の登録船員は?」

「登録所の魔法石版を確認して全員死亡で、漂着水夫の話は嘘です」


「そんなの酷い!」


「おそらくは、同じ手でしょう、暗闇に乗じて乗っ取られた」

「それでは海賊に!」

「ええ、夜間、暗視魔法で忍び寄り・・・」

「魔導師が乗ってれば明るくできるのに」

「ダーレ魔法は魔法航海士も使えます。

 敵を探りながら進むように通達を出してください」

「わかりました。

 テレウィンを使える上級魔導師にさっそく」


 あのときの二隻の海賊船はクリッパー型200トンだった。

 イング国の行方不明船もあわせた四十二隻のリストにあるだろう。

 イング国大小二百の群島中、百以上が無人島で隠れ港はいくらでもある。

 地図は魔法地図士や冒険者が歩き得られた情報を魔法紙に転写して作成。

 交通が盛んな地域は詳しく。

 行けないところは遠くから見ただけで情報量が少ない。

 詳しい物に年々改訂していくが、海図が一番遅れている。


「暇になったら魔法紙を沢山仕入れて冒険に行くか」

「マップルキもお使いになれるのですか?」

「あまり使ったことはないけど、知っているよ」

 海は波で小型ボートだと揺れるので紹介の宿屋に宿泊。

 翌朝現実世界に戻った。

 十一月は弟の和博が産まれ、一月はセンター試験、二月は本試験、三月。

 第一志望T大文科一類合格とお祝い会や卒業式もあった。

 姉妹とのお祝い会ではもの凄く癒された。

 現実世界に心を残すことが多かった。

 ライアースには行けず、すまない気持ちもあった。


「うひひひ」

「あ、あらら」

「エッチな夢を見てるんじゃない」

「かもね・・・ちょっと考え事ばかりしていたけどスッキリしたみたいね」

「何となくだけど、他に女が居るような気がするわね」

「やっぱ、アルナもそう思う?」

「この世界ではない何処か・・・かしら」

「あたしたちは行けない世界ね・・・仕方ないじゃないの」

「だけどさあ・・・こんなになってるんだもん」

「起こす?」

「朝だしね、抓ろう」

「お~」

「ぎゃあ、わ、わ、どうした」

「おはようございます」

「オーマ様さぞかしエッチな夢をご覧になってましたね」

「い、いや・・・あ、ああ、ううう」


 朝立ちがくたっとなった。


 この頃、嫁達は少し大人になってきたのかも知れない。

 ポート湾から風の国、風の国からイング国首都ロンドへ。

 ロンド湖は海とも繫がる最大の汽水湖。

 マーガ公爵家の屋敷湖畔の桟橋にアース号を停泊させた。

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