第14話 アルナも嫁に
「あの・・・お待ちください」
「何者!」
「オーマと申します」
「あ、勇者オーマ様」
「何か?」
「アルナ様にご提案があり、王宮内の一室を確保しております。どうかご同道いただきたい」
「え、わたくしに?まあ・・・」
「アルナ様・・・」
「そちらは帰って良いぞ、ズルニ公爵家は目と鼻の先じゃ」
「そ、それは」
「安全は保障しますのでお願い申し上げます。この酒は王家への献上品で最高級だそうです」
「まあ・・・」
「それは、ありがとうぞんじます、では」
「アルナ様、失礼いたします」
二人は嬉しそうに受け取ると手を繫いで去っていった。
「ち!護衛のお役目失格だわ」
「確かに」
「提案とは?」
「ゆっくりと、さあ、行きましょう」
「は、はい・・・オーマ様」
オレはロリコンじゃないぞ・・・巨乳が好きだ!なのに、う~む。
貧乳幼女の手を引いているうちにムクムク。
アルナは頬を染めてまんざらでもないようだった。
「実を言いますと、第三者が不和の種をまいており、今回の行方不明事件もだと思われます」
「そのことは父も申しておったが・・・証拠がない」
「ええ、王子と王女の捜索が急務です」
「それは、努力していると聞いておる」
「わたしが探せると思います」
「いかに、勇者様とは言え・・・宮廷の最上位魔導師が探しておるのですから」
「う~ん、例えば・・・」
『メガカルカル・アルナ』
「え、え、え~」
「ランス国の宮廷魔導師もメガカルカルは知識として知っているそうですが、わたしにとっては造作も無い魔法・・・いかがですか?」
「あ、あん、降ろしてください、いやん」
「お!」
「オーマ様!」
「なんか、モッコリしてますわ」
「ひ!」
「アルナ様が目を回しちゃいますよ」
「お、おう」
ジャンプしてアルナを抱いて魔法を解くと、しがみついてきた。
つい、チューしてアルナは頬を染めた。
「あ、あ、あん、オーマ様のお嫁さんになりたい」
「それではオレに仕えるかい?」
「はい、アルナはオーマ様のものです」
パチパチパチ
「では、嫁同士、みんなとチューして」
「はい、そうだと思ったの。うらやましかった」
「嫁同士、仲良くしましょうね。アルナ」
「ええ、ミリア、チュ」
「あの二人はズルニ公爵家に預けてていいんですの?」
「役に立たないし」
「サドガ島でトリスナ王子とイゾルト王女の捜索でいいかい?」
「わたしだってわかりますわ、オーマ様なら何とかしてくださると・・・あん」
貧乳の悩みを聞いたみんなは安心させて育パイに取り組んでいる。
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ハンブ港までプリカルカルで二日の旅程、二隻で四日おきの定期船は二十四日も動けず船主は困り果てていた。
「他言は無用だが・・・」
両国へのゲルニア王国から正式の返書を運ぶ使者であることを示す紋章入りの書類を見た船主が確認、快諾した。
「海流の関係で往きは二日停泊一日、帰りは四日停泊一日ということです」
「なるほど」
翌々朝出発という触れに港は活況を取り戻した。サドガ島では備蓄食糧が底をつき食品が高騰しているという。一攫千金を狙う商人が押しかけ、すぐに積み込みが開始された。
排水量二千トンの外洋帆船が停泊できる天然港は少ない。
サドガ島は直径五十キロの扁平三日月型、流れが速い狭い海峡のど真ん中で西の湾が海流に影響されない深い良港。イング側のロチェス港、ランス側のアーブル港には小型船に載せ替えて運ぶ。両国にとっては貿易上の重要な島、平和になってから共同統治という形で利用してきた。
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「でかい船」
「マストが四本もあるわ」
「そうだね、ん?外板は木ではないな」
「最近は木に薄いオリハルコンを貼り付けてます」
「へ~」
「トルキア国でしか産出しないので高価ですが、フナムシもフジツボもくっつけないし、鉄のように錆びることもなく、嵐に負けない強さが出ますので運用コストは下がります」
「なるほど、船が出せないのは痛手ですね」
「船長室の隣の一等船室をご用意いたしております」
「は、はい」




