第13話 ゲルニア国で
揃って王城の謁見の間へ、左右に重臣が侍る奥の玉座からゲルニア王アモールが立ち上がり、段を下りて前に立った。
「オーマ殿とお見受けする。タモ太守から子細を聞き此度の働きにはまことに感服いたした」
「は!」
宰相が説明をした。
「件の盗賊団のアジトは討伐隊とミュンヒ城守備隊の合同作戦で壊滅との知らせがございました」
「それは良かった」
「しかし、首領はあと一歩のところでシルバードラゴンが現れ連れ去ったとのことでした」
「シルバードラゴン?」
「五十年戦争時に跳梁したという記録はありますが・・・」
「左様、盗賊と甘く見ていたが根が深そうなのだ」
「ふ~む」
「実は兄君、オーマ殿はランス国とイング国との諍いは第三者の陰謀ではないかと・・・」
「うむ、われらも軽く考えていたがそれは卓見、さてどうするか」
「サゴール公爵様には言いましたが、完全中立宣言を提案いたします」
「どちらにも荷担しないと言うことかな」
「イタル大湿地帯の問題についてもオーマ殿はご存知のようです」
「ふむ・・・」
「イング国の密使はどうしていますか?」
「返事を引き延ばしズルニ公爵が面倒を見ている」
「どうでしょう、我々と共にサドガ島に向かうというのは、ハンブ港から船が出ていますね」
「共に?」
「返書は公開宣言書でよろしいのでは?」
「なるほど、しかしサドガ島は何重にも閉鎖され、入出港も禁じられている」
「両国の魔導士長が結界を張りまくっているとか」
「トリスナ王子とイゾルト王女の捜索のためですね、まだサドガ島にいるかも知れません、わたしが捜索してみましょう」
「オーマ殿は全ての魔法に精通されてるとイリスから聞きました」
「オーマ様は勇者の印、ドラゴンの牙をお持ちです」
「やはりそうか、よかろう、委細承知した。今夜は晩餐会といたし、イング国のアルナ姫も招待する。準備をせよ」
「は!」
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「ひそひそ」
「ひそひそ」
「うう、慣れない」
「晩餐会は武器武具は禁止ですからね、みんなルキルの巨乳に関心があるのよ」
「なんか、エッチなんだもん」
主賓はランス国イング国の特使、国王と三人の女王の入場でみんな起立した。
「本日はイング国マーガ公爵家アルナ姫、ランス国マンナ公爵家ミリア姫をお迎えし、盛大なる宴を開催します。両国のますますの発展を祈念しカンパイ」
「カンパイ」
儀式はそれだけ、サーブされる料理を食べ酒を酌み交わし、隣同士で歓談する。
「アルナ姫は怒ってるみたい」
「料理にも手をつけてないね、美味しいのに」
「だけどさあ、可哀想」
「え?」
「貧乳~」
「まだ若いって、十一歳だわよ」
「え~」
「従者はなんかいちゃついてるね」
「戦士らしいけどね」
「ズルニ公爵家の子女が案内するはずなのに拒否っているらしいよ」
「へ~」
「皆様ご歓談中ですが、ここで発表がございます・・・」
宰相がシルバードラゴンには触れず盗賊団討伐成功を知らせると、ゲルニア国領内のことなのでみんなが拍手喝采で喜んだ。
「もうひとつ・・・両姫様にさきほど返書をお渡ししました・・・」
完全中立宣言書を読み上げる。
誰もが戦争を心配していたのでホッとして拍手していた。
「さて、勇者オーマ殿を紹介いたします」
「ブ~~~ケホケホ」
「突然すみませんが、お立ちを」
「は、はい!」
「勇者オーマ殿は・・・」
盗賊団からレッドドラゴンの子を救い、火の国の問題を解決に導き、盗賊団のアジトの場所を知らせたことで討伐が成功したと国王自ら功績を喧伝した。
「この素晴らしい功績にゲルニア王国最高勲章オサマオトスと金貨200枚を授与したい、意義のあるものはおるか!」
「おりません、バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」
「困ります」
「受け取らないならわしが困る、こうでもしないとあなた様は受けないじゃろ」
「お見通しですか・・・ありがたく」
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「アルナ様、困ります」
「そうですよ、あのような態度は」
「父に何と報告するのじゃ、おめおめと帰れるか」
「しかし、すでに」
「ランス国のミリア!従者どもが!なぜ勇者オーマ様に寄り添っておるのじゃ」
「アルナ様、いきさつはお聞きしましたでしょ?」
「そうですよ、勇者様に助けられたなんてロマンチック・・・」
「ムムム」




