二冊目
三十二日目
まっさらなノートだ、一冊目ほど心は弾まない
帰還時間を過ぎて、さらに時間が経つと強制的にゲート前に帰還させられた
くそが
三十三日目
三十四日目
三十五日目
白衣の男、ニヤニヤとしたその顔に腹が立ったが、人形の反応の追加を提案された、もちろん
その代わり宝石をもう少し頑張ってくれと頼まれた
生返事、食事、ねる
三十六日目
てこてこ着いてくる人形のいないソロだ、余り変わらないと思ったがいよいよ寂しかった
戻ってきたら人形のアップデートは素晴らしいものだった、明日、起きれたら頑張ってやろう
三十七日目
夕方頃に起きた、久しぶりにやる気で充ちている
何故か強制帰還もなかったが宝石は多いぞ
戻ってからが楽しみだ
三十八日目
三十九日目
初めて一日中外にいた、気力も満ち満ちている
さすがに風呂に入りに戻ってきた
ついでに魔法の発展もあった
充実している
四十日目
四十一日目
明日が白衣の男と対話だ、ねる
四十二日目
白衣の男も機嫌が良かった
俺もいい
明日の模擬戦も楽しみだ
四十三日目
ソロ対面ですら苦戦した
二人組の女は気力だけで勝ちを掴んだ、全力の炎でボロボロにすると向こうが勝手に怯む
風は正直脅威だが、恥ずかしさが勝るのだろう
五人組は無理だ
四十四日目
四十五日目
四十六日目
四十七日目
四十八日目
四十九日目
ゲートに強制帰還、ちょうどいい、人形にガタがきていた
シャワーを浴び
白衣の男と対話した
…実験は大成功らしい
何の話かまるで分からない
ひとつのカプセルを渡された
話半分だったのでよく覚えてないが脳に作用するらしい、おいおい、違法な薬じゃないだろうな?
新しい人形もくれるらしい
明日の模擬戦は最後らしい
五十日目
存分に暴れた
ソロ対面では抑止がかかった
二人組もボロボロで抑止をかけられた
五人組も半分ほどボロボロ出来た
今日は気分がいい
五十一日目
じゃあな
日記はここで終わっている
◇
そのノートをパタリと閉じ白衣の男が呟く
「すぐに薬を飲んでくれたのですね…五十日目は意気揚々とゲートから出ていき夜まで帰ってこなかったでしょうに…」
「律儀に別れの言葉を残してゲートの範囲外まで行ってしまうのは誤算でしたが、まぁ壊れてしまったから良いでしょう、魔法世界で活躍することを祈ります」
「さて、実験は大成功、魔法の発展のグラフからも見て取れます、貧しい環境だと魔法の発展にも伸びが弱いですね、五人組はまだまだ伸びていますし…」
「…そう言えば彼、どうしてローゼンツと名乗るのでしょうか、実はこの実験の全容が初めからわかっていたとか?」
白衣の男は呟きながらその部屋を後にした
◇
環境による差
貧しい環境
部屋の状態、特になし、人数、一人
豊かな環境
部屋の状態、遊び道具もとい時間を潰せるものなど、人数二から五
過程より
一人での精神状態を補佐するために会話可能な人形を与える
追加で会話の幅を広げ、人工知能の試作も追加
精神状態がもう少し安定していればより良い結果が出るだろう
逃亡後、人形が停止するまで監視は可能だが、これは不要と判断
既に彼は壊れている