一冊目
白衣の男はたしかこういった
「ローゼンツ、君には魔法の才能がある、こちらから部屋を与え、その才能の開花の経過を調べさせて欲しい」
そう言ってひとつの部屋を与えられた
調べるとの通り部屋の隅には監視カメラがある
他には最低限の生活環境
渡されたのは筆記用具と白紙のノート
これから僕は魔法の勉強を始める
◇
僕達の世界と魔法の世界が繋がって早数年、魔法世界の魔素という空気の成分に適応できる人だけが魔法世界に行くことが出来る
適応できない人にとって魔素は有毒ガスと同じようなものだ
魔法世界の資源を得るために、適応できる人はこちらに呼ばれる
…ノートは足りなくなったら貰えるらしい、部屋からも特にやることがない、日記のようにでもつけていくか
◇
一日目
魔法世界というものを体感した
ゲートというものは扉型で先が見えない渦が張ってあり、その先を通ると自然溢れる魔法世界だった
渡された杖は鈍器として使い、雑魚的であろうスライムを倒した
魔法はまだよく分からないが、体内で渦巻く何かを感じることが出来た
帰ってきて簡素な食事を取り、眠ることにする
二日目
白衣の男はこちらの世界を機械世界と呼ぶらしい、まぁ自然は環境汚染で無くなったしな…
魔法世界では見たことない植物を見ることが出来た、これからも新しい発見に心が踊るようだ
魔法に進展はない
簡素な食事、ねる
三日目
ゴブリンというのを確認した
気持ち悪い見た目だ、近づくのはまだやめとこう
体内の渦を手のひらに集めることで熱を起こすことが出来た
魔法かもしれない
終わりの時間までゲートの近くで練習した
似たような服装の人と何人かすれ違った
食事、ねる
四日目
ゲートを通ってからひたすら魔法の練習をした
ゲートの近くなら安全だからだ
同じような一人と数人すれ違い
五人組の男たち、二人組の女性たちが通っていった
そろそろ魔法を使えると思う
戻ってからイメージトレーニングをした、明日にでも魔法を使えると思う
食事、ねる
五日目
ゲートを通って昼頃まで魔法の練習、ついに小さいが炎を…火を出すことが出来た
詰まっていた管が解消されたように、体内の渦の循環がぐるぐると巡る
ちょっと気持ち悪い…
夕方頃に五人組の男たちと話をした、彼らも同じように魔法の才能がある人達で五人で生活しているようだ
炎を出した時の感覚を教えた、少し気分が良かった
帰還の少し前に一人の男性と話した、直ぐに二人組の女性もきてコツを教えた、気分がいい
戻ってからの食事もいつもより美味い気がした、ねる
六日目
二匹のゴブリンと戦闘した、杖は飾りで手のひらから炎を出すと面白いような火力がでた
自分ではそう熱くないがゴブリンには焦げるほどの火力だった
夕方頃にゲート近くに戻ると、二人組の女性がいて、魔法を教えた
彼女達はセンスがいい、明日にでも魔法を使えるだろう
七日目
今日は魔法世界に行かずに白衣の男と対話のようだ
あの白衣の男によると
やはり他の人達も同じように魔法の才能があるようだ
一番最初に魔法を開花させれたので明日からは別のゲート先に行っていいようだ
本命の場所らしく、荷物運びに機械の人形を連れて行っていいらしい
…人形なのか?とても可愛い女性なのは正直心臓に悪い
なんでも最新の機械らしいけど
食事もその人形に運んでもらった
…美味しい気がした、ねる
八日目
ゲートの先は峡谷だった、鉱脈があるらしい
メイド姿の人形は声をかけた時だけ反応する
…正直可愛い
ただ雑談には反応してくれない、命令だけだ、少し不満
鉱脈…宝石?はすぐに見つかった、魔法で宝石周りを焼くとすぐに採取できた
充実している
ほかの人たちはいないが来るのも時間の問題だろう
食事、ねる
九日目
宝石探しは単純作業で飽きた、もっと強い魔法を使えるよう練習した
人形は人形だった、反応がないのがなぁ
他の人は来ない
少し寂しい
十日目
宝石を探してそこそこに魔法の練習
高い壁のようなものにぶつかった感覚
十一日目
魔法の練習
十二日目
宝石、魔法
食事、ねる
十三日目
十四日目
昨日は日記をサボってしまった、白衣の男に顔色を心配され、普段の食事に加えて、サプリメントを追加された
どうにも疲れが抜けていない
ここに書くか迷ったが、あれの処理とかにも限界がある、何も無いのに加えて監視されていない場所がトイレ、普段から可愛い人形が着いてくる
…はぁ
…魔法も発展があまり見えない
食事、ねる
十五日目
十六日目
十七日目
人形にお触りをしたら人形から叱られた、腹立たしい
その感情のまま魔法の練習を再開すると業火を出せるようになった
これを理由に人形にちょっかいをかけたらダメだろうか
反応は乏しいが何分寂しい
他の人達はどうなっただろうか
女性二人組と話したい
男たちでもいい
…食事、ねる
十八日目
人形の服をめくった
…何をしていたのか、なんの面白みもなく、ただの機械の肌だ、相変わらず同じような叱り
思えば苦労して引っ張り出したでかい宝石を軽々しく運ぶんだ
…報復の方が怖いな
まぁ人形だし
魔法の発展も無い、単純作業
十九日目
二十日目
かれこれ三週間が経つのか
最初の方を見返すと楽しそうなのが筆圧からすら見れる
今は…
二十一日目
白衣の男と話すと模擬戦を開いてくれるらしい、明日、どうやら他の人達は別のゲート先に行っていたようだ
それぞれ開花した魔法が違うらしく適応場所も違うらしい
どうせなら女性二人組と同じ風の魔法が良かった
二十二日目
一対一では負け無しだった、白衣の男を除き久しぶりに喋った気がする
同じようなソロ活動の人達も久しぶりに喋った用だ
二人組の女性とも模擬戦をした、二人でようやく互角ぐらい
そう思うか、発展が著しいと思うか
…褒められるのは正直気分が良かった
五人組の男たちとは魔法の強さでは勝っているが他では勝てそうにない
まだまだ伸びそうだし、五人組というのはずるい気がする
久しぶりに充実した日だった
二十三日目
二十四日目
魔法に発展
…書き忘れていたが、峡谷の魔物だ
翼竜?だったか、飛ぶトカゲ
くらい洞窟ではそこそこでかいコウモリ
今日はゴーレム?にも出会った
変わらず燃やし尽くせるから書き忘れたのだろう
ちなみに人形は殴って追い払えるほどの強さだ
二十五日目
起きるのも億劫だ
ダラダラとゲート先にいく
宝石より魔物を倒す方が楽しい
二十六日目
起こしに来た人形がうるさくベッドで寝ろと命令した、この際なんでもいいと思った、幾分か気分が良かった
二十七日目
人形相手にどうかしていた
本当に昨日はどうかしていた
二十八日目
ベッドでずっと寝ようとしていたら白衣の男から来た、いつもは別室だ
来れるならいつも来いよと思う
明日は別の人の頼みで模擬戦だ
白衣の男の呆れ顔は…まぁそりゃそうか
二十九日目
ソロ対面負け無し、会話もあまり弾まない
二人組の女性、ギリギリで負けた、人数差がずるい、喜ぶ姿に腹が立つ、人形のようにしてやりたくなった
五人組、強い、成長が著しい
まぁ人数差もあるし何も思わないが
三十日目
三十一日目
一冊目終了
この日々はいつまで続くのだろうか
明日にでも帰還しないのを試そうと思う