表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

7

 それでも、これが人生最後の恋と意気込んでる坂本さんは食い下がった。


 そこで開き直って本性を現した悠美さんが、坂本さんにトドメを刺すべく出してきたのが。


「取引先の大手企業社長の、ご子息との結婚話です」


 坂本さんは、とても苦しそうに言ったわ。


 私は優しく彼の手を撫でてあげた。


 それにしても…どこかで聞いたような話ね。


 企業社長の子供同士の結婚か…。


「まだ、お互いの写真をやり取りした段階ですが…彼女が言うには親同士が、とても乗り気なので間違いなく結婚することになると」


 坂本さんの声が震えてる。


 また涙が、こぼれ始めた。


「そう」


 それきり黙った坂本さんに、私は声をかけた。


「それは本当に、つらかったわね」


「すみません…自分がバカだって…女々しいとは分かってるんです。彼女の幸せを願ってあげるくらいの度量があれば…でも、どうしても彼女が…悠美さんが忘れられなくて」


「そりゃそうよね。すぐに忘れられたら、そもそも好きじゃなかったってことですもの」


「はあ」


 坂本さんは、ため息をついて、ジントニックの残りを飲み干したわ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ