表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

3

 私は彼の左肩に、そっと触れた。


 そして出来るだけ優しい声で、こう言ったの。


「ようこそ、新世界へ」


「え?」


 彼は泣き顔のまま、私を見たわ。


「何だって?」


 彼が私に訊いた。


「あら?」


 私は、とびきりの笑顔。


「あなた、店の名前も見ずに入ったの?バー『新世界』へ、ようこそ」


「あ…ああ…」


 彼は戸惑ってる。


 そして、しげしげと私を見つめた。


 涙は、もう止まってる。


「キレイだ…」


 彼が呟いた。


「まあ」


 私は彼にウィンクした。


「嬉しい。あなたが、そんなに酔ってなければ良いけど」


 私の笑みに彼は首を横に振ったわ。


「大丈夫。あなたの美しさが分からないほどは酔ってませんよ。本当にスラッとして」


「スラッとして?」


「とてもキレイな女性です」


「フフフフ」


 私はカウンターの奥のカズちゃんの顔を見た。


「聞いた、カズちゃん?」


「はい」とカズちゃん。


(りん)さんは、お若くてお美しいです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ