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「え!?ストーカーなんだ!?」
「そうそう、キモいよね」
2人が坂本さんを嘲笑った。
「悠美さん…お見合いするんだろ?」
坂本さんが、眼に涙をためて言った。
両肩が震えてる。
「だからー。おっさんには、もう関係ないよね?何なの?お見合いするから遊ぶな?大きなお世話なんだよ!!」
「ええ!?悠美、お見合いすんの?」
「あんたは黙ってて!!」
悠美が軽薄そうな男の頭を小突いた。
「親同士が決めた縁談だから、何があっても、もう決まりなんだよ!おっさんなんかより、すごいイケメンだから!お金も、いっぱい持ってるしね。もう、諦めなよ。あたしも結婚したら遊べなくなるから、残りの時間くらい楽しませてよね!おっさんの相手してる暇なんてないの!!」
もう、聞いてられない!!
私は坂本さんのそばに立った。
「坂本さん、行きましょ」
「凜さん」
彼が私を見る。
何て顔してるの?
もっと胸を張って!
あなたは素敵な人なのよ!