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顔合わせ

今俺はゲーム「オーディンズ」の中の始まりの町フラットの広場にいる。

何故かというと先日の飲み会での話の流れで幼馴染の5人で大会に出ようという話になり(半ば強引に)その待ち合わせをしているのだ。


伸二がかなり強引に話を進めて今日皆で顔合わせを兼ねて集まるのだが、俺は内心かなりワクワクしていた。

実は俺はかなりこのゲームをやりこんでいる。社会人になってからは仕事と飯と寝る時間以外はほとんどこのゲームに時間を費やした。所属しているギルドは国内では結構名が通っているしスキルやレベルもかなり上げている。競技用の対人戦の経験はないが実は結構自信がある。


そんなことを考えているとひと際目に付くプレイヤーが広場に現れた。ゼブラ柄の忍者服?に死神の鎌のような武器を背負い、色々なアクセサリーを身に着けている。

(よくいるんだよなー。見た目で個性を出そうとして奇抜な恰好するプレイヤー。べつに嫌いというわけじゃないんだけど個人的にはあんまり一緒に組みたくはないなー。変に目立つし。まあ覚えやすいしああいうのネタキャラが好きで声かける人も結構いるみたいだけど。ってあれ?こっちくるんだけど・・・)


伸二だった。


「おー、福かー。なんか強そうな装備ばっかだな。その感じは剣士系か?」

おれのメインジョブは魔剣士だ。魔法と剣という王道の二つを使えるということでこれに決めた。最初は中途半端で大分苦労したが時間をかけて育成し今ではかなりの火力を出せるようになっている。ロマンを求めて火力重視の育成をしたからそれ以外はあんまりだがギルドではアタッカーだ。

「俺は魔剣士だよ。伸二はなんか忍者っぽい感じだな。」

「ほら、俺って忍者好きじゃん?」

(いや、知らねーし!全然忍んでねーから!)

「俺はまあトリックスターだな。かっこよくね?この服な暗闇で・・・」

(お、実は実用性ありか?闇に溶け込むとか)

「光るんだぜ!」

「自己主張が凄い!闇に紛れない!もう忍者の必要性ないよ!」

思わず声にでてしまった・・・

「アハハハハ。つっこむねぇ~。まあそういう感じが面白くてやってんだけどね!」

色々突っ込む所がありすぎてもういっそ触れないでスルーすることにした。トリックスターは罠を仕掛けたり姿を消して相手を撹乱し思わぬ攻撃をしたり、うまく説明できないが奇抜な戦い方をする。扱いが難しくなかなか使いこなすプレイヤーはいないが本当に上手いプレイヤーは皆の想像を超えた戦いをする。もしかして伸二はものすごい上級者なのか?と思ったがレベルを見たらそれほど高くないので本当に趣味プレイのようだ。


しばらくすると広場に初期装備の男性プレイヤーが現れた。

(今日始めたのかな?初々しいなー。俺も最初はあの装備で、何すればいいかとかも全然わかんなかったなー。って待って、こっちに来るんだけど・・・なんか聞きたい事があるんだ!きっとそうだ!)


仁だった。


「えーっと・・・それ初期装備だよね?」

「気持ちは侍です!キリッ」

「キリッ!じゃねーから!気持ちとか関係ねーから!」

二人続けての衝撃にまたも声に出してしまった。ってか一人目ネタキャラ趣味プレイ、二人目初期アバターってもうやばくない?大会無理じゃない?

「何イライラしてんだよ。あの日ですか?」

(笑えない。イライラしすぎて笑えない。いかん、落ち着け俺。光と龍はまともな筈だ。落ち着いて二人を待とう。きっと二人はまともだ!)

そう思っていた時期が俺にもありました。


結論から言うと光は女だった。いや、女のアバターでプレイしているネカマだった。かなり可愛い魔法使い系の女の姿で現れた。ご丁寧に声もアニメ声にしていましたよ・・・


「いや、可愛い女だと皆優しくしてくれるだろ?実際だいたいの男性プレイヤーは親切にしてくれるよ。」

怖い!そして黒い!腹黒すぎるよあんた!確かにそういうもんだけども!可愛い娘にはみんなやさしいけれども!


最後に龍が斧を持った戦士系の恰好で現れた。唯一まともな恰好で現れた龍に涙目になりながら俺は「ありがとう!まともでありがとう!」といったら「おっ、おう。どうした?」と首を傾げられ、若干引かれた。




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