8 モンスター×ご褒美?
俺は街の門をでた。
「やはり外の空気は綺麗ですね。」
「あぁ全くだよ。」
召喚された当時は色々整理が
つかなかったせいでよく見れていなかったが
外の世界は街とはうってかわって
緑に溢れており。見ているだけで
心が癒される。
「さて カミ用の草を探しましょう。
うわぁ沢山ありますね。
どういう草がいいんですか?」
「とりあえずこの世界には
雁皮っていう草はないんだな?」
「はい。聞いたことないですね。」
「じゃあ雁皮に似た草を
探すしかないか…葉が平たくて
沢山ついているものを探そう。あと低木だ。」
「平たいですか…」
俺らは周りを見渡す。が。
「草ってこんな多いんだな。」
「はい。私も思いました。」
とりあえず片っ端から
それっぽい草をかっていくことにした。
しばらくかっていると…
「アキさん気をつけてください」
「あぁわかってる。」
この世界に来て初めて
モンスターにであった。
「レザーフラワーは耳が悪いです。
あと基本は穏和ですが目を合わせると
レーザービームを打ってきます。
あたると多分…アキさんは即死です。」
マジかそんな恐ろしいモンスターですが
今 僕の隣にいるんですが。
なんか根っこみたいな足
足みたいな根っこなのか?
詳しくはわからないがうねうねと
動いている。
「絶対に合わせないでくださいよ。」
「あぁ分かってる。」
「本当にですよ。死にますよ。」
「分かってる。」
しばらくじっとするが
ソイツは俺らの周りを
執拗にうろうろする。
「まだいますね」
「まだいるな」
そんな会話を10回ぐらい続けていると
「やんだな。」
足音が消えた気がした。
ワプもそう思ったのだろう
肩を叩いて合図をしてきた。
俺も安心して振り返ると
「え」
振り向いたとこにいたのは
レザーフラワーでした。
肩を叩いたのは
どうやら蔦ですね。いやこれ反則だろ。
しかも いつのまにかワプは寝かされていた。
植物モンスター特有の
花粉的なやつか
………!?
やばいだろ。ってまって
レザーフラワーの顔(?)みたいな
ところに光が集まってきてんですけど?
やばいやばいこれはまずいって
俺はとっさに呪文を唱える。
「フール!」
レザーフラワーは宙へとういた。
その直後
「ギュイイイイイイイン!!」
レーザーが発射された。
レザーフラワーが宙に浮いていたため
頭の上スレスレをレーザーが通過した。
…やべえ死ぬかと思った
レーザーの勢いで重みをうしなった
レザーフラワーはレーザーとは
逆の方へロケットのように
姿を消して言った。
…助かった。
俺は熟睡しているワプへとむきなおる。
…可愛いじゃないか。
植物モンスターの花粉って
どのぐらい持つのだろうか。
これは ちょっとしたイベントなのか
それとも自力でモンスターを
倒したご褒美なのか
これはなにかしていい流れだ。
でも一体何をしよう。
取り敢えず時間を置くか。
…起きないんですけど。
てかもしかしてこれはアレか
キスしないと起きないとか
そういう系の花粉か?
もしもそうなら一大事だ。
俺はワプに顔を近づける。
これはあくまでワプを救うため…
「ふぇ…アキさん?」
あら?起きちゃった。
「…大丈夫か寝てたぞ」
ごまかす俺。
「えっ本当にですか!?
すいません。最近夜遅くまで
授業受けていたので。えへへ」
…え?
「レザーフラワーがしたんじゃ」
「いやそんなことできませんよー」
まじか。
「で レザーフラワーは?
いったいどこへ」
「あぁ追っ払ったよ」
「本当ですか?凄いですっ!」
「まぁな」
こんなこと言ってはいるが
心では今までの疲れとおさまらない
羞恥が抑えきれない良明だった。