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異世界でこの知識をどういかすか  作者: 麗良佳 新
貧乏宿革命編
43/44

1 再会

このくらいのペースでかけたらなぁと思います


さてさてここからまた宿屋が舞台となります!

久しぶりのワプをご堪能ください

目を開けるとそこには見知った光景があった。


「絵本館…」


良明は絵本館にいい思い出はないが

その良くない思い出のおかげで生まれたものもあった。


「元気にしてるかなぁワプ……」


思い浮かべるは茶髪から生える猫耳をピクピクとら動かしながら仕事に勤しむ少女。

良明は早く会いたくてつい足を早めてしまう。

隣を歩くメリアルは何かを思い出したように良明に問いかける。


「ご主人様…いえもうメイドではないので違いますね。いや従者だからそのまま…失礼。

…なんと呼んだ方がいいのでしょう。これまで通りウスノロがいいですか?それとも他にありますか?」


「………ウスノロは辞めようか。悪口じゃないならなんでもいいよ」


その様子を見ていたクレアも一言


「わたしもごしゅじんさまじゃないいいかたにしたいー!」


握られた手をふりながら良明に言ってくる。


「クレアにご主人様はたしかに変な感覚なんだよなぁ年下に気をきかせてる感じっていうか申し訳ないっていうか。もっと柔らかい感じでいいぞなんか親近感のある感じの」


「うーん。うーん。」


クレアは空いた手を顎に当てながらうんうんと

考えそれから思いついたように良明を見る。


「きめた!ぱぱにする!」


「ぶっ!? へ?ぱぱ?いやなんでクレアは俺の知識はあるんだろ?俺がパパじゃないことはわかるはずじゃあ」


「え?でもくれあをうみだしたのはぱぱだよ?」


そんなことをいうのであった。

そう。召喚される際に召喚直前までの良明の知恵を得たクレアだが知識はあっても良明達がもつ感覚的な違い___親という概念についての判別はつかないのである。


「ぱぱっぱぱっ!これにするね!」


「まぁクレアがそういうなら?」


白髪を揺らしながら笑いそう言う幼女を

拒否することは良明にはできなかった。




___数十分後。

良明は数日ぶりに宿へと戻ってきた。


「ついに帰ってきた!なつかしの我が家……」


ドアの前に立ちあまりの懐かしさに

良明は感慨に浸っていた。


「そのドアが好みなんですか?そうですか木に情欲を抱く方だったんですか」


「えーぱぱはそんなせいへきじゃないよ?」


「その通りだよ!…というか

クレアがその見た目で性癖って言うの

違和感でしかないんだけど」


そんなこんな言い合ううちに

唐突にドアが開け放たれた。


「アキさん!!!!!!おか___



ドア前からしきりに聞こえる会話を耳のいい獣人が聞き漏らすはずがなかった。

ワプは良明の声を確認するとすぐにドアを開け放ち待ち望んだ言葉を…


「おか____…失礼ですがアキさんお連れの二人はどちら様ですか?」


待ち望んだおかえりを言うことははなかった。


「ぱぱーこの人がわぷらさんだよねっ!わぁほんとうにけもみみだぁ!くれあです!よろしくおねがいします!」


クレアは満面の笑みでワプに挨拶する。


「うん。クレアちゃん?えっとよろし___

_えパパ?パパって言いませんでした!?」


「うん!ぱぱだよー」


その言葉をきいて

ワプが信じられないような目を向ける。

それもそうだろう。数日の間に良明をパパと呼ぶ幼女と見るからに気品に溢れる美人の女性が立っているからだ。


「この数日でアキさんが子供をこさえて帰ってきた……!。いやでも流石におかしい…でも王族が使う魔法なら時期を早められるものとかあるのかも……」


ワプがとんでもない憶測を始めていることに

気づいた良明は急ぎ訂正しようとする


「ちがうんだワプ!クレアはなパパっていってるけど本当は俺の子供じゃなくて……」


「えっぱぱはぱぱじゃないの?」


「いやなんというかその…ほんとうのパパじゃないというか」


「ぱぱじゃ…ないの……?」


「良明さんたとえ望んだことじゃなかったとしても責任は…責任は持った方がいいと思います。」


おっとワプの目が心無しか冷たい


「良明さんの子ということはつまり相手がいるわけですよね……」


そう言ってワプはメリアルを見る。


「……どっかで見たことがあるような…でもそれはないか…」


ワプはメリアルを良明の相手と思ってるようだ。そのことにメリアルが気づかないはずがない。メリアルは城である程度良明を知っている。そう。良明がワプを好きであることを知っている。今その相手に良明は少なからず距離を置かれている。ならばその状況を変えるのが国王直々にたのまれた従者の役目である。


メリアルはワプの目を一度じっとみて……




逸らした。




そして顔を赤らめ良明の方を向きこう

言うのだった。


「ごし…いえ……『あなた。』お世話になった人かもしれませんがここはきちんと言うべきでは?」


「はぁ!?」


そう。メリアルはこの状況をさらにワプとの距離感を突き放す方向に変えたのであった。


「やっぱり……!」


ワプはメリアルを良明の相手だと決めつけるとため息混じりに良明を見つめた。

そして良明をキッと見た。


「言い逃れはできませんよアキさん!

いくらここが人の少ない宿だといっても夫婦をましては子連れの方をずっと泊めるほど余裕はありませんよ!その…アキさん。お幸せにっ」


そういうとワプはドアを勢いよく占めるのであった。


「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

ちょワプ話を聞いてぇぇぇ」


閉められたドアを叩きながら叫ぶ良明を

クレアは不思議そうにメリアルは笑みを浮かべながら見るのであった。




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