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異世界でこの知識をどういかすか  作者: 麗良佳 新
王城拉致生活編
42/44

16 拉致生活の終わり

____城にて。


一足早く戻ったメリアルはいつも以上に額に

シワを寄せフリードの担当のメイドを捕まえていた。


「国王様?国王様は何処ですか?」


「メ、メイド長如何なさいま___


「国王様はどこだと聞いているのです。」


「ひっ こ、国王様は現在お部屋でお休みかと」


「なるほどわかりました。しかしマリア

国王様に使えるメイドたるもの聞かれたことは即座に返さなければなりません。分かりますか?もっと城に使えるメイドとして成長なさい。」


「はいぃぃぃ」


あまりの圧に泣き出しそうになるメイドの

マリアが頭を下げるのを見届けることもなく

メリアルは突風ように国王の部屋へ向かった。




___数分後


メリアルは国王フリードの部屋へ着いた。

入る前に一度服装を確認し城へと急ぎ戻ってきたために少し乱れた髪をなおす。


いかに私が私であろうとも今はメイドとして

最低限の節度は守る必要がある。


そう思いながら身だしなみを整え

改めてドアへと向き直


「すぅーーーーー……」


メリアルは深呼吸をしてドアを軽くノック


「バギャァァァァン!!」


____などはせずに

全力でドアを拳で吹っ飛ばす。


部屋の中からその様子を見ていたフリードは


「…なぁメリアル。もう少しメイドとしての立場とか品格とかそういうの意識したほうがいいと思うぞ?」


ため息混じりにそう呟いた。


「お話があります。国王様」


「大方予想はついておる。良明君の従者として君を採用する件についてだろう?」


「えぇ。その通りです国王様。何故彼のような

凡人の命にこの私が意心地の良い城から出なければならないのです。」


「……二つ理由がある。

一つは君がメイド長になってから城のメイドが減ったこと。君は優秀だが優秀な故に欠点がある。自分とは異なる_君の言葉を借りるなら凡人、いや普通の人との接し方が下手なのだ。君のできることがみんなできるという訳では無い。君の当たり前は当たり前では無いのだよ。正直君は軍の長は向いていてもメイドとしての長は向いていなかったということだ。

二つ目は…その前にだ。この件を提案したのは私ではない。ルークだ。彼が私に提案してきた。彼の力は君なら何となく把握しているだろう?彼がそうした方がいいと言ったんだ。それがなによりの理由になるんじゃないか?」


フリードの瞳は真っ直ぐにメリアルを見る。

____返答をまっているらしい。

なら即座に返すのが礼儀だろう。


「……一ついいですか」


メリアルもまたフリードを見る


「なんだ申してみよ」


「____給金を倍に」


「……………………はぁ…わかったとも」


「分かりました。その仕事受けましょう」


フリードはため息混じりに条件を飲むのだった。






___その日の夕方ついに俺の拉致生活は終わりを遂げようとしていた。だが……


「あの…コール様ぁ。

まじでメリアルもくんの?」


「ここの一番のメイドを持っていかれるとは

いやはや羨ましい限りです。」


あからさまな嘘やめていただけませんかね

相当メリアルに苦労したんだろう別れのくせに心から嬉しそうな顔してやがる!


「どちらかと言うとメイドが土産というか冥土ノ土産というか…」


「凡人風情が私が従者として行くことに何の不満があるんですか?あるわけありませんよね?頭を地面に擦り付けて感謝すべきでは?」


「こいつとこれから過ごすって想像しただけで泣きそう。なぁクレアぁ」


良明は自分の袖をずっと掴んでいる白髪の幼女___クレアの頭を撫でる。


「ごしゅじんさまどんまい!」


クレアに励まされる良明を嘲笑うメリアル

その光景を見ながらコールは一言


「そろそろお帰りの時間です。本当は明日の朝でも良かったのですが…こちらも明日は立て込んでおりまして。急な形ですがすいません。

…それでは。」


そこまでいうとコールの隣に黒いモヤが生じた。見た目はブラックホールみたいな感じだ。


「それではここをお通りください。良明殿の家の正確な位置は把握出来ませんでしたので良明殿の申していたところで僕のわかる場所___絵本館の前に繋がっているはずです。」


どうやらこれがコールのスキルらしい詳しいことは分からないがワープ系という予想は当たったようだ。


「ここを通ればいいんだな。わかった。

よしじゃあクレアと…メリアル行くぞ」


「うん!」

「言われなくても」



「………よしいくぞ。じゃあコール様。お世話になりました。国王様にもよろしくお願いしますね!」


「わかりました。ではまた。」


良明達は軽く礼をするコールを見ながらその黒いモヤへと姿を消していくのだった。



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