3 あれがないんですが
「おはようワプ」
回鍋肉を作った翌日の朝。
俺は久々にぐっすり寝れたことで
機嫌がとても良い。
「おはようございますアキさん。
ご飯出来てますよ。」
まるで夫婦のような会話だと
思いながら席につくが
「あのーワプさんこの料理は?」
「料理がどうしたんです?」
「これって回鍋肉だよね。」
「はい!」
「ワプさんって回鍋肉しか
作れないの?」
「? そんなわけないですよ?
それにしてもこのメモという物凄いですね
いちいち作るものの作り方を
思い出さなくていいとかこれもう
大発見ですよ!」
あぁこれ続くやつだ。
笑顔のワプに突っ込めずにいる俺に
早く食べようと促すが
そのときはワプが何かを思い出したらしく
俺に呼びかける
「あの、一応 昨日の宿泊費を
後で払ってください うち日払いなんで」
「え」
やばい金ねえよ リュックに入れっぱだよ
そもそも元の世界の通貨つかえないか…
やばいどうしよう。
「あの、それがですね…」
仕方ない正直に話そう。
どんなにひかれてもいい
人に嘘をつくのは心が痛い。
「どうもスられたみたいで。」
さっきの自分はどこに行ったんだろう。
いやでもチキるわこれ。
ラノベ主人公の気持ちがわかったところで
俺はワプの反応を待つ。
「それは大変ですね。でも
いくらアキさんでも料金は…」
めっちゃ心配してくれてるじゃん
うわこころがいてぇ。
「ちょっと野良モンスターを
ちょちょいとかってきますよ」
俺がそんなこと言うと
「嫌でもここは3番目に魔王の城に
近いところですよ?そこら辺のモンスターでも
十分に強いですよ。…大丈夫ですか?」
なんだろう今ものすごくツッコみたい
召喚するなら始まりの街的なところからだろと。
なんで敵の拠点にちげえところなんだよ。
「あとモンスターを倒すなら
レベルが40をこえてないと街の外に
クエスト目的で出歩けませんよ?」
oh..no…
「ちなみに俺のレベルってどうやつ…」
そう言いかけていとき
ポケットになんかあるのに気づく
それを取り出してみると
一言で言うと運転免許証みたいな
カード(プロフィールカード)が入っていた
そこに俺のレベルがかいてあった。
もちのろんでレベル1なんですけどね。
どうやら俺の異世界生活は
牢獄ですごさなければらしいです。
「あの…私に教えていただけませんか?」
そうワプが急に言った
「へ?」
「その…教育をうけたいです。
それならタダでいいですよ?」
そう顔を赤くして言う。
俺の異世界生活は
教師というジョブのもと始まった。