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異世界でこの知識をどういかすか  作者: 麗良佳 新
王城拉致生活編
35/44

10 ストロンの巨鬼

ー目を覚ますと自分の顔をのぞき込む

メリアルの姿が視界に入った。


「おはようございますお客様。

昨晩はしっかり眠れましたか?」


「なんか初めてメイドっぽいことを

言ったんじゃないかメリアル…

…まぁ昨晩は永遠に眠らされそうでだったが。」


「それは良かったです。」


そう言って少し微笑むメリアル。

…いや良くねぇだろ

ほんとうに死にかけたんだからねまじで。

まぁ…それはともかく。


「なぁメリアルまだ俺帰れないの?」


そう。今日で王城監禁生活は三日目を

迎える。特に不便はなく過ごせているが

(いやまぁひとり厄介なのがいるか。)

やはり置いてきたワプが心配だ。

てか会いたい。


「まだ国王様からの報告は受けておりません。

早ければ今日の昼すぎには拉致が解かれるので

は」


「ついに王城関係者まで拉致って認めたな…

昼かぁ。暇だなぁー」


「なら退屈をしのげる場所まで御案内

してもよろしいですよ?」


「え? そんなとこあんのか」


「丁度 今日はストロンの入隊選抜の日です。

しかも二軍も。」


「え?まじか…えっと二軍って?」


「コール様とバルジオ様です。」


「コールってあの紫の髪の人か…

バルジオって人は知らねぇな。」


「様をつけてください平民風情が」


うわっいきなりこいつ毒吐きやがった!?


「ごめんごめん…でバルジオ様ってどんな人?」


「バルジオ様はストロン1の武力を兼ね備えられ

ていると言われているお方です。

あの方の率いる軍は日々 魔王軍との

最前線で戦っており 多くの兵の憧れでもありま

す。」


「へぇ…そのバルジオ…様って人?」


「巨人族と鬼族のハーフです。」


「そりゃぁ強いはずだよ…」


鬼族といえば俺らの国の逸話とかでも

常に脅威とされていたしな…


「じゃあそれ見に行こう」


「私も行きたかったのでお客様がそう言って

くれて嬉しい限りです。…血が騒ぎます。」


「いやあんたメイドだろ」






〜その後 良明はメリアルの部屋で寝ていた

クレアを起こし朝食を食べた後

その選抜があるという城の裏山の頂上に

建てられた訓練場に向かった。


「「広い…」」


その広場は今まで見たことのない広さだった。

……先が見えない。


そしてその見えない先の方から先程から


『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』


男達の屈強な声が聞こえている。


「すごい声量だな…これ城にいても

聞こえてんじゃないの?」


「えぇ聞こえますよ。 いつもは声だけで

見に行けないので本当にもどかしいのです。」


「めりあるはーそんなにこのせんばつを

みにきたかったのー?」


クレアが純粋な目をメリアルにむけ

そんなことを聞く。

メリアルはクレアの頭を撫でながら


「えぇ 男達が血反吐を吐きながら目を赤くして

武功と報酬目当てに乱れ合う姿ほど

見てて滑稽なものはありませんから」


「おいおまえなんてこと言ってんだぁぁぁ」


「五月蝿いですお客様。」


「ああああああああああ」



〜その後 広場の左奥にあるバルジオ軍の

方へ先に行くことにした。その後に

右奥のコール軍のもとへ行く予定である。


「それにしても近づくにつれて

めちゃくちゃ声が大きくなるな…

なぁメリアル この選抜ってのは

どのくらいの頻度であるんだ?」


「大体 各軍半年に一度ほど選抜を行いますね。

たしか今回の定員はバルジオ様軍が400人

コール様軍が20人ですね。」


「様軍って…え? 今 なんて?コール軍は

半年で20人しか補充しないの?」


「コール様軍です。先程言ったように

バルジオ様軍は常に前線で戦っていて

コール様軍は主に後衛なので犠牲はコール様軍

の方が少なくて当然ですお客様。」


「うーんそれでも少ない気がするが…」


「あっみてみてあれっあれっ」


クレアが指差す先からは煙が上がっていた。

どうやらもう到着するらしい。

足を進めるにつれその選抜の全貌が

段々と分かってきた。


そして…


「なんじゃこりゃ…」


「すごーい!!」


広場に等間隔で設置されている

物見櫓的な?ものに登ったとき

その選抜の内容が目で見てわかった。


「バトルロイヤルか…」


「ばとるろいやるー」


バルジオ軍の選抜は至ってシンプルだった。

四方を囲った柵の中に参加者を閉じ込め

勝ち残った400人を選び出すというものだった

そしてその柵の中では至る所から

魔法らしきものや剣の音が絶えず聞こえる。

恐らく 勝つなら手段はなんでもいいのだろう。

ただ 殺したりはしてないようだ。

先程から戦闘不能になった者は柵から

放り出されている。


「ざっと見て3000人ほど参加しているようで

す。これは大混戦ですね。」


「まじか…」


『その黒髪にその声…メリアルかァ久しぶり

よのぅ ふはははァ!』


「「「!?」」」


その衝撃的な風景を見ている三人の背後から

いきなり大声が聞こえた。


振り返るとそこには大体3メートルぐらい

だろうか。後ろで束ねた赤髪を揺らす巨人が

立っていた。否。 人ではない目の前にいる

男の額の両端には大きな角がそれぞれ

生えていた。


その巨鬼が名乗らずともこの男こそ

ストロンの一人 バルジオだとわかった。










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