9 人の話は最後まで
なかなか更新できずにすいません(陳謝)
今日は終わりですがまた明日
更新しようかと思います。
別に作品の更新をやめるつもりは無いので
これからもよろしくお願いします。
庭でクレアと遊んでから数時間
メリアルが作った夕食を平らげ
クレアをベットに寝かせた後
良明は庭で覚えた新魔法『プレシアス』
のことをメリアルに尋ねた。
「…プレシアスですか そのような名前の
魔法なら聞いたことがありますね。
たしか「圧力魔法」だった気がします。」
「それって今 唱えても大丈夫な感じ?
なんか部屋とか爆発しない?」
「私 言いませんでしたっけ「圧力魔法」って
どこをどうしたら圧力魔法が爆発に繋がる
んですか? まさか「圧力」を「爆発」と
聞き間違えたんですか?それならお客様
失礼ですがお客様の耳はもうすでに…」
「なぁぁぁごめんごめん
じゃあ試していいんだな?」
「えぇたしか初級のものなので」
「…最初からそれ言えよちきしょう」
「申し訳ございません畜生。」
…もう何なんだこのメイド。
メイドって普通
もっとおしとやかなもんじゃないのか…
まぁとりあえず害がないなら
唱えてみるとするか。
良明は適当に手を部屋の角のほうに突き出し
魔法を唱える。
「プレシアス! ってなぁ!?」
呪文を唱えるやいなや良明の手の平から
なにかが出てきた。
…いやなんだよこれ。
良明の手の平からでたのは言い表すなら
『キューブ』のようなものだった。
立方体のそれは薄い水色であり
またガラスのように透けていた。
「なぁメリアル このキューブみたいなの
どうやって使えばいいんだ?
なんかふわふわ浮いてて気持ち悪いんだけど」
「キューブというのが何かはわかりませんが
圧力魔法はすべてその『定められた範囲内』
にある物体にかかる圧力を調節できる魔法
だったとおもいます。」
「なるほど。このキューブの中の物の圧力を
変えられるのか…てかまてメリアル
どうやって動かすのこのキューブ。」
「はぁ…自分のそのつき出しっぱなしの手で
操作するんですよ。何かを操る魔法は大抵
そうするんですがまさかそれさえご存知
なかったんですかお客様。」
メリアルの辛辣な言葉を他所に
良明は自分の手をいろいろ動かしてみる。
うわ…なんかめっちゃ動く てか大きくなった。
とりあえずどうすればどうなるかを
文字通り手探りで探すことにした。
〜数十分後
「ーなるほどやっぱり! こうすれば…
おっけぇ!! 分かってきたぞぉ」
「五月蝿いですお客様。」
「……………………」
とりあえずある程度分かってきた。
このキューブは
人差し指で指し続けた方向に動き
勢いよく人差し指を突き出せばスピードアップ
拳を強く握ったら小さくなり
勢いよく広げたら大きくなるっぽい。
「なぁメリアルこんなかに入ったもんの
圧力は自由にできんだろ?
ならモンスターとかいれたら瞬殺じゃん」
「…………………………はい?」
「いやモンスターをこの中に入れて
圧力強めたらすぐ倒せるじゃん」
「………私 言いませんでしたっけ
範囲内の物体の圧力を好きにできるって。」
メリアルがまじの呆れ顔をしてる。
…話はちゃんと聞いておこう。
「とりあえず物体ならいいんだな?」
「はい『物体』ならば」
メリアルが地味に物体っていうとき声を
大きくしたのが本当に腹が立つが 今は
とりあえずなにかをキューブに入れてみたい。
あたりを見回すとタンスの上に備え付けの
果物があったのでそのなかからひとつ
みかんのような果物を持ってきて
机の上に置いた。
「人差し指で…もうちょい右か
…あ 行き過ぎた。 」
ちょっとムズいなこれ。
結局 果物をキューブの中に入れるのに
五分ほど要した。
「よし OKだ! これでいいんだよなメリアル」
「ええ あとはその物体を広げたら
圧は弱まり 狭めたら強くなります。
ただお客様あまり急に圧を変えたらー
「よっしゃわかった!
おりゃァァァ」
良明は手の平を思いっきし広げた。
…と同時に
「パァァァァァァン!!!!」
勢いよく果物は爆散した。
それも凄まじい勢いで
「…あぁびっくりした…って あ」
テーブルをはさんで向かいにいる
メリアルの服ー白と黒を基調とした
メイド服がオレンジ色に染まっていた。
ちなみにメリアルは真顔でこちらを
見つめている。
「………………………あ………えっと…ごめん。」
「お客様…熱いのと冷たいの
…どっちがいいですか?」
「…冷たいのでお願いします。」
「かしこまりました。
少々お待ちください。」
クレアをベットから回収したメリアルは
部屋のドアの前で止まり
改めて良明に振り返る。
そして優しく頬を緩めながら
「お待たせしました。
ではご要望にお答えして。…しばらく
頭を冷やすといいですよお客様。
人の話は最後まで聞きましょうね。
ではおやすみなさい『フロウズン』」
部屋の壁を全て凍結させて帰っていった。