5 壁の模様
お久しぶりです!
夏休みですね! 今年の夏は
結構 上げていこうとおもいます!
よろしく!
部屋で食事を終えた良明だったが
一つの問題に直面していた。
「暇そうですねお客様。」
「あぁ暇だ」
そうやることがないのである。
フリードから解放許可がでるまで
本当にすることがない。
「なぁメリアル…なんか面白いものはないか?」
「面白いものと言われましても…
価値観は人によって違いますから…」
正論を返されてしまった…
「じゃあメリアルが暇な時にしてることで
いいから…暇なんだよ…」
「私が暇な時にすること…いやらしいですね
お客様…」
「あんた暇な時何してんだよ!?」
「…まぁいいでしょう。私が退屈しのぎに
してることですよね…」
表情を変えないでそう言ったメリアルは
絵画用のインクを自身の手につけ
壁に何かを描き始めた。
〜数分後
描き終わったのだろうかメリアルは
壁から自身の手を放す。
しかしなにか起こったわけでもなく
その事を確認したメリアルは何もなかったかのように壁のインクを拭き始める。
この動作が何回も行われた。
〜数十分後
「メリアル…なにしてんの?」
痺れをきらした良明は落書きをしては
消すことを繰り返すメリアルにそう尋ねた。
メリアルは夢中になってまた模様を
書き始めている。
どうやら聞こえていないようだ。
見てるこっちはちっとも面白くないんだが…
「もういい終わってくれ…おい聞こえてんのか
メリアーー」
その瞬間 メリアルの肩を叩こうと背後に
回り込んだ良明の顔に大量の水がかかった。
「ゴボゴボゴボゴボ…ぶぁっはぁぁ」
押し寄せる水が急に止まり
良明は口内に入った水を吐き出す。
「水…どこ…から?」
混乱の中 水が押し寄せてきたところに
視線を送る。
そこにはメリアルの描いていた模様があるだけ
模様から…水が?
「魔法陣…?」
良明は無意識にそう呟いていた。
「えぇそうです。今日はアタリが早かったので
びっくりしましたが…どうやら水魔法のようで
流水系ですね…」
メリアルはその後 替えの服を持ってくると
言い残し部屋から出ていった。
ある程度冷静になった良明は
改めて壁を見る。
そこに描かれた魔法陣はそこそこシンプルな
模様であった。現在はその模様の一部が
消されている。たぶんこうすることで
魔法が出なくなるんだろう。
どうやらメリアルは適当な模様を作っては
それが魔法陣として効果がでるかを
繰り返していたらしい。
え? ってことはもしかしたら俺もなんか
魔法陣つくれるのかな?
ふとそんなことを思ってしまった。
良明は昨日 手紙用に作った筆ペンを
手にしインクをつけると壁に模様をー
「いや 適当にっても…なにかこうか」
今までメリアルが描いていたものを
思い出してみるととりあえずある程度
形の整った 中心から対象的な模様だったことに
気づく。
「とりあえず 最初だし適当に星でも…」
ペンをとり壁にデカデカと星を描いてみた。
「これでいいのかな? …なんも起こらない
失ー」
その時 突然 その星から質量弾が飛び出し
良明に衝突する。 あまりに急なことだったため
受け身もとれず しかも近くにあった
インクの入った瓶に勢いよく手が当たり
中のインクをぶっぱなしてしまった。
とりあえず自分に覆いかぶさっている
得体の知れない何かをどけようと
それに触れる。
ーやわらかかった。
「は?」
顔を起こしその何かをマジマジとみつめる
「〜ん…」
「え?」
「…ん?」
良明はその何か いや目の前に覆いかぶさっている一人の少女と目が合う。
白髪ロングで色白 すんだ水色の目をした
少女だった。
………え?ちょっとどういうこと?
は?ん?????
混乱の中とりあえずこの子をどかそうと
再び少女の体に手をかけるが…
…………………裸?
その少女は裸だった。真っ裸だった。
「嘘だろ…」
これ本当にどうしようか…
良明がそう思ったとき
「ガチャり」
部屋の扉が開いて
真顔のメリアルと目が合った。