19 森龍
今回 森龍と決着とかTwitterで
言ってましたが 思ったよりそこに行き着くまでが
ながくなってしまいました。
決着は次回まで後回しにさせていただきます。
今回は会話を増やしより
緊迫感をだしてみました!
それではお楽しみください!
「ねぇ待ってなんだこの蔦ふざけんな!?
おい外れねぇ!やばいってこのままじゃ」
「アキさん!落ち着いてください!
そんな動かれると蔦を外せませんからぁ!」
そんなこと言ったってこんな頑丈な蔦を
無理矢理にでも剥がさないと…?
「え? ワプ外せるのこの蔦?」
「外すっていうか 焼くっていうか…」
「ちょっと待って!?焼くって俺の足は
どうなるのさ!? 風魔法じゃ駄目なの?
蔦を切る方が手っ取り早いし安全じゃん!」
「アキさん。私もそれを考えたんですが
私の使える風魔法はどれも威力が高いので
アキさんの足ごとバッサリと…」
「わかった! 焼いてください。」
「動かないでくださいね! 『チャカラ!』」
とたん 足に絡まる蔦の土地に近い部分に
小さい火がともり、徐々に蔦が黒く
細くなっていく。
「これ時間かかるんじゃね? やばいって
モンスターが来ちまうよ!」
そう言いながらあたりを警戒するが
「おい マジかよ…」
先程まで飛び回ったり走り回っていた
多種多様なモンスター達が
良明と同様 蔦に足や身体を縛られていた。
「なんでこんななってんだ?」
あたりを見回しそうつぶやく俺にワプが言う。
「多分 これは森龍がエサに逃げられないように
するために魔法を使ったんだと思います。
森龍は植物を操る魔法が使えると耳にしたことが
ありますし…」
「じゃあなんでワプは無事なんだ?」
「それは私が強いからだと思います。」
「自分でそれを言うの!?」
「いえ…そういうつもりでは。
森龍は慎重な生き物でかつ賢い生き物です。
私などの高レベルの人を蔦で捕らえても
すぐに解かれることを理解してるのでしょう。
そして その後 反撃に会わないよう
ある意味 選別しているんだと思います。」
「どうやって判断してんだ?」
「おそらく 森龍は魔力の強さで判断してます。
ドラゴンは魔力を感知できるので…」
「なるほど…っておれ野良モンスターと
同等扱いなのか!?腹立つ!!」
「アキさん!そんなこと言ってる暇なんか
ないですよ! 森龍が近くなってきました。
おそらくあと数分でこっちに来ますよ!」
確かにだいぶ近寄ってきている。
「アキさん!もうすぐ焼き切れそうです!」
「おぉよかった。このぐらいよ細さなら
……ふん!!」
ブツリという音と共に足が解放される。
良明らは壁の中へと逃げながら話を続ける。
「どうしたワプ? 森龍ってのは
野良モンスターしか食わないんだろ?
なら 壁の中に入りさいすれば安全だし
問題は解決だろ?」
「いえ…解決なんてしないですよ。
むしろ悪化します。」
「そりゃなんでだよ?」
「おそらく森龍は壁の近くにつくと
壁を壊すのではないかと考えられます。」
「は? そりゃなんで?」
「森龍は基本 この街には近づきません。
理由はさっき言ったように」
「強い奴らが沢山いるからだろ?」
「その通りです。でもどうやら餌が
集まりすぎちゃったみたいです。
森龍も今回ばかりはリスクをとってでもいくほど美味しいタイミングだったんじゃないでしょうか?」
確かにそれならがってんが行く。
「でも それが壁を壊されることとは
つながらなくね?」
「いえつながるんです。 実は以前にも
似たケース…こことは別の街の壁が壊されて
森龍が餌を求めて来たケースがあるんです。
その時。森龍は壁についてしばらくすると
壁をさらに壊し始めたんです。そして…」
そこでワプは一度言葉を区切る。
「そして?」
俺はつい続きを聞きたくてせかしてしまった。
「すいません。そして一度去りました。」
「去った?」
「はい。一度 去って再びモンスターが壁に
たかるのを待って しばらくしてまた
壁に訪れ 衛兵によって殺されたモンスターを
平らげ、また壁の修復が済んでいない箇所を
壊し また去っていったんです。
それを繰り返すうちに壁を塞ぐ材料が切れ
壁を守る人達も疲労で倒れ 遂にその街は
滅ぼされたんです。」
ワプはそう言い終わると
自らの顔を下に向けた。
その様子を見て違和感を覚えたが
俺は話を戻す。
「なんで森龍は何度も来たのに
倒されなかったんだ? その街にも強いやつは
いるだろうに」
「その時 その街の強い兵士は 他の用事のため
街をでていたんですよ。」
「なるほど 森龍にとってはしばらく餌を
狩らずしてありつけるわけだし 時間が経てば
敵の人間も排除できる 一石二鳥ってわけか」
「イッセキニチョウ?」
「あぁいいんだ忘れてくれ
でも今回もそれが起こるならやばいな」
「はい。だから逃げましょう。街を捨てて
違うところに逃げないと また…」
「いいのか?ワプは店を捨てるのか?」
「捨てるとは言いません。直に国の兵士が
到着するでしょう。幸いこの街には今
ソルドーさんたちもいますし
数日もすれば援軍も来て森龍は討伐されると
思います。だからそれまでの間ー」
「尻尾巻いて逃げようってのか。
それでいいのか?俺は出来ればこの街を
守りたいと思ってる。だって今の状況を
見てみろよ。さっきまで戦ってた人達も
みんな 尻尾まいて逃げちまってんだぞ
今はモンスターが捕まってるからいいけど
森龍がきて餌食って帰ったらどうする?
またモンスターがたかるだろ!?
そしたら止めるヤツはもう俺たちしか
残されてないんだ! 街の中に易々と
入られんだぞ!? 誰が住民守れんだよ…」
「そうですけど…私たち2人じゃどうにも…」
「どう数えたら2人になるのかなぁ?」
「私には5人に見えるんだがな…」
「「!?」」
二人は慌てて後ろを向く。
そこにはソルドーとフリード
そしてマイルが立っていた。
「驚いたよ まさかもう残ってるのが
君たちだけだったのか」
「他の者は逃げたのか。情けないもんだ…」
「住民はともかく 衛兵まですみません国王様。
これは私の指導不足ですわ。 」
「いや。君が私たちを呼んでくれなかったら
手遅れになっていただろう。君のせいではない」
フリードはそう言うと
良明らに向き直って
「君たちも住民なんだ。逃げても構わないぞ?」
そう告げる。
こんな状況に言うなよと思う。
「アキさん。私 戦います。この街のために」
「そうだな。もう戦えって
言われたようなもんだしな」
「ふぅ」
急にソルドーがため息をつき
「いやぁ 正直助かったよ。マジで
俺らがこっちに向かってる時に作戦を
たてたんだけど 最低 4人はいるんだよ
森龍倒すにはさ。だから国王様が
逃げていいと言ったとき 焦ったわ いやマジで!」
そう言った。
どうやら残るのは正しい選択だったようだ。
「とりあえず時間がありませんわ。
もうそこまで森龍がきていますわ!
作戦を急ぎ伝えるのでしっかり
きいておくのですよ!」
マイルはそういい早口で作戦を説明した。
そして作戦を説明し終わるとすぐに
森龍が壁のすぐ近くに到着する。
「さてさて兄ちゃん反撃と行きますか!」
ソルドーが俺に微笑む。
「おう!あのでけぇ図々ぶっ飛ばしてやらぁ」
「アキさんソルドーさん!頑張ってください!
道は私と」
「私が作ろうじゃないか。」
「森龍がモンスターの近くにつきそうですわ!
作戦を始めましょう!」
たった5人の作戦がいま始まる!
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