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異世界でこの知識をどういかすか  作者: 麗良佳 新
長すぎる平穏の日々までの道編
17/44

15 文明の利器

街を守る壁が崩れたらしい。

宿の外からはたくさんの足音と共に

罵声や泣き声が所々から聞こえはじめる。

「おい兄ちゃん達! そのポークチキン牧場は

どこら辺にあるんだ!? 」

ソルドーは俺たちに焦りながら尋ねる。

王国騎士はやはりこのような離れたところの

地形は詳しくないらしい。

「ええっとですね。ここを出て真っ直ぐ

進んだら大きな赤いレンガの家があるので…」

久々に聞くなこれ。いやこんな短時間で

説明しきれないだろ。

一度 買い物の時その牧場の近くに行ったが

その時の経験からして急いで走っても

一時間はかかる距離だったはずだ。

そのルートを言葉でなんてとても…

「おい。姉ちゃんどうした。考え事は後でー」

ソルドーの言い方からして

ワプもなにかにいきずまったらしい。

説明がとまっている。

「いえ。その大きな戦士像のある家を

左に曲がった後から牧場まで目印となる

建物が多分…ないんですよ。」

「ええっ!?」

これはまずいことになった。

目印がないならどうしようもできない。

ほんとにこの世界は不便ー

「あ!?」

「ふむ。どうした。」

考え事を続けていたフリークが

俺の声に反応した。

「国王様。場所わかるかも知れません。」

「それは何故か。」

「少し待っててください。」

俺はそういうと急いで自室へ行き

引き出しに入っている紙束を強引に掴み

急いで戻った。

そしてその紙束を机の上にバラバラにおく。

そして一枚一枚確認し

そこから数枚をを取り出し国王に渡した。

「ほう…これは。」

そこにはとても雑だがその牧場のすぐ近くまでの

道のりが書かれている。

絵本館に行ってから製品化は中断したものの

再び製品化する際にむけて今まで

買い物や散歩などで行ったところのルートは

なるだけメモしておいたのだ。

まさかここで『地図』が役に立つとは。

「なるほど。所々に何やら変なものが

書いてあるし、この材料も見たことないものだが

この通りに進めばそこに着くんじゃな?」

「はい。あ。すいません。

少し貸してください。」

俺は国王から地図を取ると

目的地を炭で塗りつぶす。

「ここを目指してください。あと

順番に紙を並び替えておきましたので

その通りに進めば着きます。」

「なるほど助かった。心から感謝する。

ソルドー!!もう聞かなくてよい。

場所までの道のりがわかった!」

「まじっすか!?わかりました!」

二人は俺らに深々と礼をして外へと出ていった。

「アキさん 本当によく思い出しましたね!

書き溜めてたチズにそこが含まれてるなんて!

全然気づきませんでしたよ!」

「いや。ポークチキンっていう生物がね

印象が強くて記憶に残ってたんだよ」

忘れるはずもない。

体型は豚だが何故か鶏の羽と鶏冠があり

一部羽毛が生えていてあんな特徴的な

鳴き声の生物など…

「さて。アキさん。私達も行きましょう!」

「え」

「はい?」

「ワプ今なんて?」

「私達も行きましょうって言いました。」

「俺 レベルまだ17なんだけど」

レベル50からしか募集はかかってなかったはずだ

「そうですが…安心してください。

アキさんの安全は私が保証します!」

「でもまた寝たりするんじゃ…」

「いえ!最近はちゃんと寝てるので!

それよりアキさんの知識が必要な気がして」

確かにそれなら役に立てるかもしれない。

「わかった。ワプ頼んだぞ!

よし準備してくるから玄関でまっててくれ

走っていくならワプも軽装備の方がいいぞ!」

「走るならですね…あのーアキさんの

フルーって私とアキさん

両方浮かせられますか?」

「え?…出来ると思うけど」

「ならよかったです!いえちょっと

考えがありまして!」

そう言ってワプが俺に微笑んだ。

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