14 不釣り合いな交渉
プリンを食べるのが落ち着き
俺を含めた4人で今 世間話をしている。
当然 いつ護衛の件を言い出そうかと
ソワソワしてる俺は話が頭に入ってきていない。
「なるほど。バレンタインか…なかなか面白い
発想だ。民衆が抱いている気持ちを伝える機会を
機会を設けられるし、かつ商業発展も…」
「国王様。それを思いついたのは隣にいる
この人なんですよ!」
「ほぅ…」
どうやらこの間のバレンタインの話をしているらしい
「そこの君。」
そういやワプのチョコ美味しかっー
「あ?お、僕ですか?」
あぶねえ国王様無視するとこだった。
「先程から様子がおかしいぞ?
心音が乱れておる。なにかにソワソワしておるな?」
「えっ」
まじかそんな分かりやすかった?いや…
「心音が乱れているって
どういうことですか?」
なんで俺に触れてもいない国王が
俺の心音がわかるのだろう。
「そうか。知らないものが民衆にまだいたとはな」
フリーク国王はそう物珍しそうに俺を見る。
そこにワプが説明を入れる。
「アキさん。国王様はどんな物理的な音も
聴き取れる『エコー』というスキルを
持ってるんですよ?」
「その通り。私はあらゆる音を聴ける。
心音など聞き飽きたからな。心音の乱れの
パターンでその人の感情とかある程度
分かるんだよ。」
「へぇ…」
この世界にもスキルってもんがあるのか…
俺にもあんのかな、後でワプに詳しく聞こう。
「…でなんでソワソワしてんの?
兄ちゃんは、」
今まで静かに会話を聞いていたソルドーが
話題を戻す。
「うむ。自分で言うのもあれだが
こんな時にソワソワするのは
何かあるのではないか?」
そんなことを聞いてくる。そして
「それは私達への何かか?」
っ!
「…心音が大きく乱れた。図星か…
どれ言ってみなさい。聞ける範囲で聞こう。」
まさかこんなタイミングになるとは。
でも結果オーライだ。これでしっかり伝えないと。
「はい。その…お頼みしたいことが…」
俺は要件を話した。
「ふむ。何者かに狙われているかもか…
で護衛と。まぁ私たちとしてはあなたがたには
プリンの礼がある。ソルドーどうだ?」
護衛などの業務は兵士に一任してるのか
ソルドーに質問を投げかける。
「んー。所詮はプリンの礼だからなぁ
多分誰も護衛なんか引き受けないと思うっすね」
「まぁ釣り合ってないな。」
国王もそう呟き
「ソルドーお前はどうだ?」
今度はソルドー自身にきく。
「礼はしないとっすけど、今回はあまりにも
釣り合わないかと。なんっつーか
そこまでする必要あんのかって感じっすねぇ
時間に余裕が無い訳では無いっすけど無理かなー。」
そんな…確かに不釣り合いだけど…
盾ができないとこの世界は不便なままだ…
俺だって何されるかわからないし
ワプを巻き込んでしまう場合も…
「そこを…なんとか。」
俺は声を絞り出す。
「私からもお願いします。」
ワプもお願いをしてくる。
「いやーゴメンね。それは無理っ」
ソルドーははっきり言う。
この言葉で 今まで自分の計画の杜撰さを
再認識した。プリンごときで国の兵士に
護衛を頼むなんて おかしい。
自分が強くならないといけないのか…
考え込んでいたその時。地響きがした。
しかもかなり大きい。
「!?」
「えっ、」
「国王様っ」
「すまんソルドー。地震か?」
大きい地響きはすぐにやんだ。
「今のはいったい…」
揺れで机から落ちて割れたコップを
片付けようとほうきをとるワプが言う。
地響きから一分ぐらいたったぐらいに
大量の音球が空に現れた。
そのひとつが店にも届いた。
国王とソルドーがその球にふれる。
「私はステルスサーチャーの第三部隊隊長
マイルですわ。要件は簡単ですわ。
皆さん非難してください。先程の地震は
この街の北の大きなポークチキン牧場ちかくの
城壁の大部分が崩れのが原因ですの。
現在。私たちでモンスターの侵入を防ぐために
結界を展開していますわ。でも長くは持ちませんの。
落ち着いて民衆の皆さんは避難してくださいまし。
後 レベルが50を越える方はモンスターの
侵入を防ぐ手伝いをしてくれると助かりますわ。
繰り返しますわ。私はーーーーーーーーーー」
おいおい嘘だろ。どうやら街の危機らしい。
お久しぶりです!
近いうちにあと1話出せるよう頑張ります!