11 影に指す光と新たに指す影
「ええぇぇ!?」
「うるさいなトム。
仕方ないだろ話し合った結果なんだ
まだ…余計なことは出来ないんだよ。」
「地図で大儲けはお預けかぁぁ…」
トムは渋々納得した。
ー昨日の夜
泣きじゃくりながらワプに
すべてを打ち明けた。
ワプは信じてくれた。
そしてこれからも宿に住んでいいと
言ってくれた。
その後 これからのことを話し合った。
で、取り敢えず 一度異世界知識を
広めることを辞めることにした。
もちろん ワプとトムだけには
個人的にはOKとした。
今はまだ文字などをこの世界から
消した奴がわからないし
規模が分からない。
個人かもしれないし国かもしれない。
それがある程度わかるまでは
地図を売り出すことも
我慢となる。
「そんな嘆かないでトム。
アキさんに危険な目に合わせれないでしょう?」
そうワプがいう。
ちなみに、トムを宿に招き 良明の身元を
改めて話した。
頼れる味方は多いほうがいい。
「わかったよ…
まぁ言ってることがほんとなら
なかなかホラーだもんなー」
「そーなんだよな…
今は味方を増やしたいんだ…
2人は頼れるし信頼出来んだけど
いざ 相手が攻めてきたりしたらさ
戦力的になー」
「まぁそーだよな
店員と宿屋の娘だもんな」
「国の騎士様とかが
仲間になってくれたら助かるんですけどねぇ」
「騎士でも王直属の最強騎士隊 『ストロン』
とか味方になったら最高なんだけどなー」
「『ストロン』?なんじゃそりゃ?」
「あら アキさん知らないんですか?
『ストロン』は王自らが騎士のなかから
選出した5人の騎士からなる軍で
その7人だけで普通の騎士1000人の
力を持つといわれてるんですよ。」
「へぇ…」
「まじこねーかなー『ストロン』の誰かが」
トムがそんなことを椅子を揺らしていう中
窓から虹色に輝く球みたいなのが
入ってきた。
これは前 ワプも使っていた
言葉を魔法で封じこめて
風で飛ばすこの世界の連絡伝達手段だ。
ワプは誰かしらと呟きその球にふれる。
触れられた球は消え
言葉が中から発せられる。
「急に送ってすまない。
私はこの国の王 フリークだ。
要件は そちの店の『プリン』についてだ。
近頃 王都に『プリン』が美味しいという
噂が広まっていてな。私も
食べてみたいと思っている。
空いている日があるのならその日にちに
直接伺いたいのだが…どうだろうか?
これでメッセージは終わりだ。
前向きに頼む。」
そういうと音声は途絶えた。
しばらく沈黙が流れた。
そしてトムが口を開き一言
「確か国王様グルメってきいたことあるわ」
「まさかそこまでプリンのことについて
広まっていたなんて!早く返信しないとっ」
沈黙から急に盛り上がるワプ。
それを見ながら俺はふと思った。
「なぁ本当に王様がくるのか?」
「あの声は王様本人です。」
「なら護衛連れてくるじゃん?」
「はい。念の為に騎士を…」
「「あ」」
二人も気づいたらしい。
「来るかもしれないぞ…『ストロン』」
「これはチャンスですよ!」
敵の存在を知り
影が指していた良明の心に
少しの光が指した。
ーところ変わって国のある城壁。
「これは大変なことですわ」
「あぁやばいな国の危機になりかねん」
「この規模はまずいですわ。
とても一日で終わりません。」
城壁を監視する部隊『ステルスサーチャー』の
二人は錆くさい所々から砂のこぼれる
城壁を見ながら話を進めていた。
お久しぶりすぎです。
忙しくて全然かけてませんでした。
インフルエンザに感謝!!
しかしもうフラフラなので
おやすみなさい。
次の更新はインフル休み中に
あと1回はしたいかなーと思ってます。