プロローグ: アルヒノハナシ
勇者と言われる少年は魔王を倒した。
しかし彼を賞賛する者はいない。
今まで魔王らによって
殺された人は数え切れないほど多い。
魔王に恨みを抱いていた者はとても多い。
しかし魔王を倒した勇者は讃えられない。
それどころか勇者に向かって彼らは叫ぶ
「コノヒトゴロシ」
「オマエノセイデセカイハカワッタ」
すっかり聞きなれたそれらの声は
すでに勇者の中では重みはない。
反抗する気もない。
だって自分は魔王より短期間で
魔王より多い人を殺した。
一体いつから 道を踏み外したのか
いつまで自分は尊敬されていただろうか。
いろいろ考るが結論はひとつ。
ー自分が存在したのが悪い。
自分さえいなければこんな世界にはならなかった
そうだ。こんな世界を望むものはいない。
こんな世界はいらない。
自分もいらない。
ーそうだ全てなくせばいい。
自分もこの世界も消してしまえば
彼は立ち止まり自分の全魔力を集中させる。
そして全力で魔法を唱える。
魔力を使い果たした勇者は
魔王を殺したときと同じ武器を腰ベルトから
取り出し自分の額に風穴を開ける。
ーこの日 世界から知識が消えた。
これ書いた方が
展開が面白くなりそうだったので書きました!