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おかんは虎視眈々。  作者: きよらんて
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縁とはキレイなだけではないのよね。

近頃、めっきり忙しい。

人と関わるのが苦手としている私としては、血を吐く思いだ。


『心がバカンスに出掛けています。』で書いているが、ボランティアの活動で人に会い、合気道の先生に頼まれてNPO法人の立ち上げに勤しんだりと、毎週人と会っている。

人間関係を構築するのが不得意な私には、ある種の初体験的な仕上がりだ・・・。


しかし、自分の心の中を見つめ直していると、今まで気が付かなかった自分の強みや武器、今まで人間関係をより良いものに出来なかった理由がよく分かる。

と同時に人の考えや、思想、物差しなんかも受け入れれるようになるから不思議だ。


今日はそんな日々を送ってる私に、分かってたことじゃなかったの?と思うことがあったので書きたいと思う。


NPOは、非営利団体である。

基本的にボランティア集団と言ったイメージがあるが、役員報酬を頂けたり、その団体に雇われていたら給料や交通費、社会保険、年金といったものも受け取れる。

会社勤めとなんら変わらない。


私は資本主義な考え方が苦手で、売り上げを上げることだけに集中した企業が肌に合わないらしい。

社会貢献を前提にした中で、まずは自分たちが利益を上げて、次に社会のために・・・だったら、また違ったかもしれないが、今までそんな素敵な企業に出会ったことがない。


そんな中、合気道の先生から法人の立ち上げは願ってもないお話しだった。

先生の話では『子供たちの育成』をメインに考え、合気道と稽古がない日は道場を子供たちの為の教室を開き、子供たちの心の居場所に・・・と考える話だった。

私も将来は女性と子供ために支援をする団体を作りたいと思っていたので、見事に思いが合致したわけだ。


先生は60後半病気を患っている、代表として動き回るのは無理があると思ったようで、代表は私がなり合気道を法人化することも考えながら、私の自由に道場と支援する方法や教室の運営などを任せると言ったので、収益を上げる方法や今私が出来ることを棚卸しながら、法人を立ち上げるための支援センター出向いていた。

そこで話を伺ったり、ネットで立ち上げに必要な情報を入手して、今日の午前中に打ち合わせに出掛けた。


打ち合わせの時に話した内容は合気道を法人化するには、今までの合気道に関わるお金の流れを聞いて書面にすること。これからの合気道の収益と支出について。

法人を立ち上げる初期投資の費用、毎年かかる法人税の話、法人の所有にする物の候補、教室の開校に伴う費用と募集方法、教室の1月の収入、収益が上がるまでの期間などだ。


まだまだ調べるには浅いと自覚しているが、取りあえずそれを元にどう考えているかの意思確認が必要だと思ってのことだった。

正直、法人は規模が大きくなり認知度が上がらないと運営は厳しい。

浅はかな考えや覚悟がないと到底やっていけない。

それこそある程度収益が上がるようになって、初めて食っていける程の給料が頂けるようになる。

一般の企業と全同じだ。

違いは立ち上げる時に必要な費用が、普通の企業より断然安いだけである。

自分のこと第一で考えている限り、法人を立ち上げることはお勧めしない。


今日の話の中で知ったことがあった。

先生は宗教法人の支部長であったこと。

立ち上げの際に、理事の一員になれない可能性が出てきたことになる。

そしてもう1つ。驚くべき事実があった。

支援センターでチラッと話に出ていたのだが、先生の道場の収入は1月およそ20万円、年間240万。

どうやらこの240万円を税務署に申告していなかったようだ。

ここに来て、事業税を払うか法人税を払うかになったようである。

この1年ほどで合気道を習う生徒が増えたのが大きいようだ。


この状況で私が代表になるとどういうことが起こる可能性があるか考えた。

今まで納めていなかった税金を払ったり、下手したら私が何かを始める時にマイナスになるかもしれない。

私は年収が100万を超える事業を行ったこともないし、私が自営として稼いでた時は、税務署で青色申告をするときにきちんと話をしてきたのでそういった知恵が全くなかった。


そもそも私はどちらかというとまっすぐな性格だ。曲がったことが嫌いである。

どうしたものかと考えながら、お腹魔人に相談をしていた。

今度の金曜に先生と再び打ち合わせと、一緒にセンターに出掛ける話もしていた。

今週末はそのへんを突っ込んで先生に確認を取ろうと思っていた矢先、明日の車を借りる話をメールで確認したところ、こう返ってきた。


『ごめんなさい。車貸すのやめます。私の足ですのでもし、事故って明日から乗れなくなったらたいへんです

それからNPOですが、支援がなかったらメリットがありませんので考えてみます。』


車の件はよしとしよう。事故らない保証はないわけだし。

しかし法人の立ち上げの、話を持ってきたのは自分だろ?と思うわけだ。

しかも支援が初めからあると考えているほうがどうかと思う。メリットより、当初はデメリットのほうが多いの方が多いであろうことは、今までの運営を考えると分かることだと思うのだが・・・。

私は向こう三年の計画を立てて、どうにか軌道に乗せる算段を色んな法人さんのところに出向いて、話を伺う為に調べていた。

連携がとれるとこ、協力が仰げるとこ、相談に乗って貰えるところ、人との繋がりが大切だ、横の繋がりを築こうと覚悟を持ったところだった。


結局のところあなたは『子供の育成』を大義名分に、自己のために私を使おうと考えていたのか?と、少しショックを受けた。

皆が皆同じ考えを持っているとは限らない。

少なくとも私利私欲があるのが人間だ。

多少なり周りに迷惑を掛けながら生きている。

しかし故意に人に不利益を与えてはいけないと思うし、真剣に話を受けている人間に隠し事をしてはいけないと、私は思っている。


明らかに不利益を与える可能性があるなら、尚更きちんと話をして誠心誠意を尽くさなくてはいけないと考えている。


私はお人好しだ。

私のできる限りは何でもやろう。

多少のマイナスも被る覚悟はある。子供たち家族に迷惑が掛からないこと、前提だけど。

元夫のところから逃げて何もない状態の時、学校の先生が子供たちの為に服や文房具を用意してくれたり、修学旅行費用を立て替えてくれて分割で支払う提案までしてくれた。

本当に人は温かいものだ。

そんな人たちを裏切ってはいけないと心の底から私は思ったから、私は今までの恩を返すために人に尽くそうと考えたわけである。


先生は病気で、奥さんは入院、お母さんは骨折しているから、晩御飯を用意してもらえないか、と言われたとき私は一つ返事で答えたし、ごはん代を請求することもない。

講師の数が少ないから、ボランティアで手伝ってもらえないかと言われた時も、できる範囲でお手伝いをすると答えた。

お互いさまだと思うから。


先生の腹の中では、一体何を考えていたのだろう・・・。

それでも、私は次の目標が出来たからよしとしよう。

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