表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おかんは虎視眈々。  作者: きよらんて
15/31

『自由人』

本当の『自由人』は何色にも染まっているようで、何色にも染まっていない、そんなヤツの事を言うのかな?

次男の乙女。

男の子なのに乙女とあだ名するくらいだから、とてもマイルドな性格の持ち主だ。


長女のガチムチがファンタジスタ・トロピカルジュースだとすれば、

長男のキャタピラーはカップとソーサーで用意されたブラックコーヒー、

三男のチャラ男は甘み増量のマミーだろう。


そして、乙女はと言うと

『ミルク多目のカフェオレに水入れた?』と言った具合か。


解りづらい表現だろうと思うが、私からしたらしっくりくるし、そんなかんじだ。


ただ小一病を患っているせいで、近頃ではそこにコーラを入れやがった状態になっている。

今までは飲めたものが、ちょっと飲めない物に着々と変身している。


そんなヤツだが、去年辺りまでは天真爛漫な可愛い天使のようなヤツだった。

ワガママすらも、『もう、しゃあないな~』と許せるほどだ。

なんせ、ベビちゃんに近い頃は唯我独尊でも可愛いと思えたぐらいである。


それは所見だった頃のお腹魔神にも言えた事だったらしかった。

乙女がお腹魔神に発した第一声は


『車持ってる?』


第二声は


『お金ないの?』


ホンマに親の顔が見たい………。


『申し訳ありません‼』と言いたくなる私だったが、お腹魔神は『おぉ、自由人。』と思ったらしい。


遠慮のなさが返って、天真爛漫、無垢に見えたようだ。

私は恥ずかしさいっぱいだったが……。


頼む………、よそでは勘弁してくれ。

親の心子知らずとはよく言ったものだ。


しかしこんな傍若無人な小さな乙女は、何故かどこに行っても人気者なのだから、私は不思議で堪らない。


親だからワガママすらも可愛いと思えるが、よそ様までミラクルワールドに誘うのだから。

摩訶不思議、愛されキャラ。


そしてこの愛されキャラは大人・子ども関係なく巻き込む上、天気や病気までも守備範囲に入れる。


ヤツが参加するイベントはことごとく『雨』だ。

入園式、卒園式、入学式、七五三、旅行、遠足……。

小一病を患ってから、晴れる日が増えたが。


私も長女・長男もウイルス性の病気に今まで掛かったことがなかったが、ヤツに掛かれば一撃。

水疱瘡におたふく風邪は、乙女を介してガチムチとキャタピラーに伝染。

インフルエンザが回りで、大流行しても我が家はノン被害だったのに、乙女の登場で毎年家族中で大流行。乙女に至っては2回転するほどだ。


乙女の回りで流行る病は、必ず乙女は掛かる。

そして乙女は流行った病を我が家に適応する形に変換させて培養、我が家に振り撒く、『乙女スペシャル』と言う有り難くないサービスをしてくださるのだ。

最近では『風邪』がそうだ。

乙女が掛かり、キャタピラーが『咽頭炎と胃腸風邪』に変身した『乙女スペシャル』を喰らい、続いて『長期間風邪』にバージョンアップしてお腹魔神に、今は私が『熱の上がらないメンドクサイ風邪』を頂いている。

おまけに再び乙女が風邪の症状、キャタピラーがぶり返し、お腹魔神は現在進行形で風邪を引いている。

本当に迷惑極まりないが、昔に比べて程度が軽い。


そう言えば、乙女は1才・2才の時立て続けに命を落とし掛けた経験がある。

階段から転落して頭を打ち、額が割れて縫うと言う大事を2年連続で経験している。

2度ともお医者様から『額が割れて良かった。もし割れてなかったら死んでた』と言われた。


乙女は神様か死神か分からないが、そういう物にまで愛されていたのかもしれない。


そう思うと近頃の『コーラ』入りも悪くはないな……。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ