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プロローグ
初投稿作品です。感想アドバイスとかあったら嬉しく思います!
「大丈夫ですか? リア!」
叫びつつ、一人の少女が自分の前に立った。長い黒髪を靡かせて颯爽と現れた彼女の背中を見て、俺は詰めていた息を吐き出した。
今、まさに襲いかかろうとしていた獣たちは、彼女の登場によってその機会を失った。
助かった、という安堵が押し寄せてくると、頭がくらくらとして立っていられなくなった。溜まらずに尻餅をつく。鼓動が早い。
何も考えられない頭で、目の前から脅威が去って行くのをただ呆然と見ていた。
息苦しくて空を仰ぐ。木漏れ日の向こうに青空が広がっていた。
急に視界が暗くなる。その刺激にようやく頭が回り始め、彼女に抱きしめられているのだとわかった。
「っちょ、シオンさん! 離れっ……」
「心配しました。すごく、すごく心配しました」
彼女の腕に力がこもる。離して欲しい、とは言えなくなっていた。
申し訳なさと共に情けなさが溢れてくる。
「その……心配かけて悪かった……反省してる」
この世界に来て三ヶ月。未だに自分は助けられっぱなしだった。