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しばらく、圭たちは急な坂を登ったり、緩やかな坂を下ったりした。


木々がざわめく音が今の圭たちの心を揺るがせる。


統一「ゆっくり伏せろ」


小声で統一は言った。


圭たちはゆっくり伏せた。


統一「あれをみてみい」


統一が指差す方向は山頂の広場だった。


いつの間にか頂上についていたみたいだ。


頂上といってもこの裏山はそんなに大きくはない。


しかし、慎重に進んでいたせいか、空はだんだんと薄明るくなってきた。

曇っているようだ。


そこには一人の黒装束のポニーテールで青髪の少女がたっていた。


圭「あいつは!」


圭には見覚えがあった。

まさしく、その少女は蒼だった。


統一「バカ!大声で…」


統一は圭が思わず大声で出したので、怒鳴る。


蒼「誰?そこにいるのは分かってんのよ」


蒼は圭たちに気づく。


圭たちは一斉に蒼に掛かろうとする。


だが、蒼にはそれを止める方法があった。


蒼「おっと、そこで動いちゃう?」


蒼は眠っているももの首にクナイを突きつけた。


蒼「いいの?死んじゃうよぉ?死んじゃうよォお?」


圭「くそ!」


圭たちは蒼の言われるままに動かなかった。


圭「お前はももと同じ伊賀の忍者だろ?仲間なのになんでそんなことするんだ!」


蒼「仲間?笑わせないでよぉ。私は別にこいつを仲間と思ったこともないわ。そこに並びなさい。あなたたちを殺せば私は伊賀でも上の位につける…。あなたたちを殺せば私の将来は安泰よォ。フフっ」


蒼は笑っている。

蒼の言葉にはもう負の感情しか感じられなかった。


冷夏「とことん腐れきってるわね。ももに殺されかけたくせに」


冷夏は嘲笑する。


プチン!と今の冷夏の発言で蒼はキレたようだ。


蒼「……つまんない。さっさと死ねよお前ら」


蒼はももからクナイはなし別のクナイを五本両手に握り、圭たちに向かって投げようとした、


統一「今や、蒼は構えとる間に仕留めるんや!」


圭たちは蒼に一斉に襲いかかろうとする。


しかし、蒼はそんなことなどとっくに分かっていた。


秋次「ぐっ…体…が…」


優良「あれ?動きません…」


統一「おまえ…」


蒼「ハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」


冷淡な笑い声が裏山に響いた。


笑ったあとに蒼は言った。


蒼「よかったわぁ。念のためにお香をたいておいて」


蒼は右手に小さなお香をのせた。


圭「そ、それで…もも…を…」


蒼「あっるぇ?何でみんな倒れてるの?今から楽に殺してあげるね」


蒼がクナイを投げようとしたとたん


蒼は後ろから両手をつかまれた。


蒼「な、何!!」


後ろに立っていたのはさっきまで寝ていたももだった。


もも「あれ、後ろがら空きだけど…?」


蒼「あらあら、起きるのが早いよもも」


もも「あいにくこの匂いは昔から馴れてるから。本当に眠っちゃった時は油断したよ」


圭「もも!」


圭は思わずももを呼んだ。


もも「会いに来てくれたの?うれしい!」


ももは笑顔で答えた。


蒼「フフ…」


もも「…!」


蒼が不気味な笑いを見せる。


もも「…」


ももは何も言わずに蒼が掴んでいたクナイを取り上げ、蒼の背中に突き刺した。


グサッ!


そうすると蒼は木に変わってしまった。


もも「やっぱり変わり身か」


統一「なんやて!」


蒼「フフ…」


周りから誰かが近づいてくる。


秋次「なんですかこれは!」


秋次がその正体を見て驚いた。


周りはなんと、みんな蒼だった。


冷夏「ど、どうなってる!!」


もも「お香の力。今度は脳に刺激を与え、幻覚を見せるお香。みんなはとにかく、そこにいる敵と戦って。正体が分かるのは私だけ、私が蒼をやるよ」


圭「もも!」


圭が心配そうにももに声をかけた。

また、ももが行ったまま帰って来ないかもしれないからである。


もも「大丈夫、すぐ終わらせるよ」


そう言ってももは真っ先に本物の蒼目掛けて走っていった。



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