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12月25日昼、圭は喫茶店プリンセスに統一、冷夏、秋次、優良を呼んだ。
そして、圭はももが朝方に目覚めるといなかったことをいった。
統一「そりゃあなぁ、朝まで寝とったやなんて…。呆れてどっかいったんちゃう?」
しょうもない話を聞くように統一は返す。
圭「な、何だよ。確かに俺は悪いけどな猿、どっかいくことないだろ!!」
統一「じょ、冗談や。何本気になっとんねん」
統一は圭のあまりの真剣な表情に、気持ちを切り替える。
優良「…」
冷夏「…優良?」
冷夏は優良が何か怒っているようにかんじた。
今日の優良はどこか変に思えた。
店に入ってくるまでは、すごく機嫌がよかったのだが、入ってきた途端にどこか嫌な顔をしていた。
圭「いや、だって…。あいつが一人でどこかにいくなんて…。よっぽどのことがあったに違いないだろ?」
統一「まあ、それもそうやな…。いつも、お前の近くにおったしな」
優良「……だ、大丈夫ですよ」
圭「え、大丈夫って…」
冷夏「…優良?」
突然の優良の発言に全員は優良に疑念を抱く。
"大丈夫"
同情したのか。
それとも、皮肉で言ったのか。
このときの優良は後者のように思えた。
優良「どうせ、どこかにいます」
優良には自覚がないのだろうか。
この発言はあまりにも薄情な発言である。
優良「時間がたったらきっと、帰ってくると思いますよ」
この少女は本当にこんなことを思っているのか。
圭「…」
冷夏「優良!」
優良「あ……」
冷夏は優良を大声で怒鳴り付ける。
圭「そ、そうだな…」
優良「ご、ごめんなさい、私…!!」
優良はそう言って店を出ていった。
優良は思わず店の外に出てきてしまった。
空は曇っていて、かすかに土の匂いがする。
店の正面は木造のどこか古ぼけた民家でここに誰が住んでいるのだろうと思わせるようである。
店の周りも民家で、左は昔、店をやっていたと思われる色が薄くなっている看板があった。
右は二階建てで、玄関の前にはそのまま地べたに枯れた植木鉢が二三個ある。
(店を出てきちゃったけど、どうしよう)
一旦優良はそう思ったが、店のドアがすぐ開いたことに気づいたので、変に気を引き締めた。
冷夏「優良…」
来たのは冷夏だった。
さっき、強く言い過ぎたことを悔やんでいるのだろうか、申し訳ない顔をしている。
続けて冷夏は言う。
冷夏「何でそんなこと言ったの?」
これ以上は言わなかった。
優良は沈黙を保っていた。
優良は圭と督川ホールディングスで戦った時から圭が気になっていた。
惚れるということは案外簡単なものである。
『相手の仕草や癖に一目惚れしてしまう人』もいれば、『時間をかけて好きになるという人』もいる。
優良はどうやら、前論の方のようだ。
『圭の戦っているところに惚れた』
ただそれだけのことである。
しかし、簡単にそれは頭から離れない。
毎晩毎晩、彼女を苦しめているのだ。
そのたびに彼女には罪悪感が芽生える。
そして、とうとう、我慢できずに口に出てしまった。
という訳である。
一瞬、彼女は圭がほしいと思ってしまった。
沈黙の彼女に冷夏は続けて言う。
冷夏「別にあなたが圭を好きになっても誰も、文句は言わないわ。もちろん、ももちゃんもね。でも、それで仲間を見捨てるのってどう?楽しい?」
冷夏は鋭い女である。
優良の様子を見てきて察していたようだ。
ときどき通りすがりが彼女たちの方を見る。
みんなちら見をしている。
冷夏「好きなら好きで堂々と真っ正面から戦いなさい。戦いと同じようにね」
優良はやがて、ゆっくりと頷いた。
この少女の闇を見た気がする。
この少女はもともとこのようなことを言う人間ではない。
独占欲が強いのかもしれない。
店の中で圭と統一と秋次の三人で話していた。
圭は優良が言ったことばに少し塞ぎ込んでいた。
圭「すまん。俺のせいでみんなに色々迷惑かけて…」
統一「圭…」
秋次「何をいってるんですか!」
圭「…!」
秋次「圭さんは何もしてないじゃないですか!それにまだ、ももさんがそうなったとは限りません。きっと、優良さんも何か理由があったんですよ!」
秋次は圭に喝を入れた。秋次は優良がなぜあんなことを言ったのか、大体予想はついていた。
秋次自身は優良のことが気になっている。
しかし、こういうときに自分がしっかりしないといけないと思った。
圭は「ありがとう」と言った。
そのとき
店の扉のベルがなった。
どうやら冷夏と優良が入ってきたみたいだ。
圭は優良の顔を見ることができなかった。
優良は下を向いている圭に「ごめんなさい」と言った。
圭はその言葉に顔を横に振った。そして、「俺の方が悪いんだ」 と言った。
一度話したからよかったのか、圭は優良を見ることができた。




