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先生の話が終わった。
圭とその少女は職員室を出た。
圭「たしか…麻倉冷夏さんだよね?」
圭はその少女に聞く。
冷夏「そうよ。そういう君は本田圭くんよね」
冷夏は眼鏡をハンカチで拭きながら圭に問う。
圭「ああ、そうだよ。話をかえるけど、麻倉さんは何かやってるの?」
冷夏「何で?」
冷夏は圭の方を振り向かずに問い返す。
圭「え?なんでって…その、強かったからさ」
冷夏「少しね。そういうのを少しだけやっているわ」
圭「少し…?」
(目の前で男の子一人結構吹っ飛んでましたけど…?)
もも「圭!」
声がする。
ももが圭の前に立っていた。
もも「何かありがとう圭。何かとうさつ?ってのを防いでくれたんでしょ!?」
圭「…」
話を聞く限り、大筋しか理解していないようだ。
一応感謝はしているようだが、もっと内容を把握してほしかったと少し圭は思った。
ともあれ、ももの笑顔が悲嘆に変わるのを見たくはない。
これでよかったのだろう、と自分で納得させる。
だがこのまま窪塚が黙っている訳がない。
圭自身がどうなるか。
非常に不安な今日である。