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殴るような音がした。
圭「…」
…
痛みを感じない。
自分はこの場所から動いてさえいない。
圭はゆっくりと目を開けた。
圭「…!?」
窪塚が倒れていた。
圭「どうして?」
圭は目の前の少女にそう言う。
ももではない。
その少女はクラスで全く目立たず、地味な格好の少女。
クラス中ザワザワしている。
圭「き、君が…!?」
「そうよ」
と言うと少女はゴムをほどき、頭を振った。
圭「え…」
圭は驚く。
というのも少女がゴムをほどいて、眼鏡を外すと地味ではなく、可憐で、目立つような容姿だった。
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圭は事情を話せば分かってもらえるとは思っていた。
しかし、
先生「そうはいっても本田から手をだしたことは変わりないだろ?それに携帯を壊す必要はなかっただろう」
圭「はい。すいません…」
そこまで言われると否定できない。
だが、圭は気にいらなかった。
窪塚がここにいないからだ。
病院送りにはなったが、多分窪塚を責める先生はいないだろう。
それが不良の特権なのだ。
隣にいる少女も病院送りにした本人ということで先生から指導を受けていた。
これだけやったのだから、保護者が呼ばれる最悪の事態になるだろう。