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刻々と時間が過ぎていき、幸い昼休みまでは不良の姿はなかった。
圭はとりあえず一息つく。
だが、気を緩めてはいけない。
圭「…!?」
ガラガラ…、と教室のドアが開く。
そう、不良が学校にいる以上、必ず来るときがあるのだ。
クチャクチャ…、と鳴る咀嚼音。
ただ、その時期がただ早まっただけなのだ。
ガムを噛みながら不良は自分の席へ向かう。
名前は窪塚 裕二。
クラス中で「不良」と恐れられている。気性が荒く、気にいらない奴がいれば全部暴力で片付ける典型的な単細胞である。
不良「おっ、何かかわいい子いるじゃん!」
窪塚は前のももに気づく。
窪塚「ねえねえ!名前なんていうの!?」
窪塚はももの前で立ち止まってそんなことを聞く。
もも「本田ももだよ!これからよろしく!」
何も知らないももは笑顔でそう言った。
先生「こ、コラ…、いろいろ聞くのは後にしなさい」
そこで府抜けた声が聞こえるが、
窪塚「ああ?」
すぐに教師は目を反らす。
それから窪塚は普通に席に座って、自分に集まっている視線を睨みつけた。
そして、このまま5限目の数学が始まる。
しかし、この時圭は何か変だと思った。
窪塚がそんなに大人しい訳がない、そう思っていたからだ。
というのも、いつも窪塚は、授業にでてくる度に教師をいじりまくって、そのまま授業を続けないという行動にでているからだ。
圭は引き続き警戒を続けた。