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先生「えー、今日から留学生として勉強するようももさんだ。みんな、仲良くするように!」
圭「っておい!」
圭は机を両手で叩いてツッコミをいれて立ち上がる。
当然視線は圭に集まる。
恥ずかしくなってきた圭は静かに座った。
(おいおい何であいつがここにいるんだよ!それに留学生って…。名字本田だし名前もも、ってもう留学生でもなんでもないじゃんかよ!こんなんでいいのかよこの学校!)
ももは圭を見てニコリと笑う。
ここは普通怒るところなのだが、可愛らしい笑顔に圭は自分の赤面を隠すことしかできなかった。
ももはすぐに人気者になった。
少なくともももの容姿はすぐに男のハートも貫くほどだ。
一輝「おい。親戚ってなんだよ!圭!」
圭の横に立つのはごくごく普通。普通普通アンド普通の山一輝である。成績普通、運動普通、サラリーマンと主婦から産まれ、特に何もなく普通にそだった、何の面白みもない圭の友人である。
圭「知らねえよ」
机に右肘をつけて、景色を見ながら圭は言う。
一輝「知らないってなんだよ!お前の親戚だろうが!」
(何で俺がこんな目に…)
一輝だけではない、クラス中の男子がもものことを聞いてくるのだ。
もも「さすが圭!人気だね!」
圭「んな訳ないだろ!」
先生「静かにしろ!」
しかもまだ朝のホームルーム中だ。
ももの席さえ決まっていない。
先生「じゃあ、席は…」
先生がある席に指差す。
(ガヤガヤ…)
とたんにクラス中がざわめく。
公立高校にも不良がいないわけではない。
圭の通う高校は公立でも下の方なわけでもあり不良はいた。
ももはその不良の席の前の席だった。
(ヤバくないか…)
当然圭も焦る。
気を利かせて違う席にしてくれればいいものを、と圭はすこし先生を恨んだ。
だが先生も先生で事情があるだろう。
他の生徒を代わりに不良の前の席にする訳にはいかないのだろう。
今は不良も授業をサボっていていない。
(何も起こらなければいいが…)
圭は不良が来ないよいに願うだけだ。