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砂ぼこりがたった。
その向こうには圭がいた。
圭「…」
ジオン「久しぶりだね。お兄さん」
ジオンはそういって体を上に伸ばした。
圭は何も話さない。
ジオン「どうしたの?このお姉さんを見てショックだった?」
ジオンはももの肩に手をおいた。
圭「…」
しかし、圭は一言も言わない。
ジオン「チッ!」
さすがにつまらなくなったのか、舌打ちをして、信長に言った。
ジオン「信長!やれ」
信長「フン!このフヌケごときに」
そう言うと信長は勢いよく圭に斬りかかろうとした。
信長「!?」
大きな音がした。
ジオンのところに信長が横になって飛んできた。
信長「グウゥゥ…」
信長は倒れた体を起こした。
「ワタシハカナシイ…」
何か声が聞こえた。
ジオン「だれ?」
「ワタシハカナシイ…」
それは圭が言っていた。
圭だとは感じなかった。
圭だが圭ではない。
ジオンはそう思った。
ジオン「誰だ?誰だお前!?」
ジオンは尋ねる。
すると、圭は構えた。
ジオンもとっさに構えた。
次の瞬間。
さっきと同じように大きな音がした。
巻き上がる砂ぼこりの向こうにはジオンが構えて立っていた。
圭は言った。
圭「ワタシハイギリス魔術師総合連盟一級術師クリスティー・モカ・ローレライ…モウコレイジョウハ…」
知らない名前を聞いた。
何と圭は自分のことを全く知らない名前で言ってきたのだ。
信長「我が仕留めよう」
そう言ってジオンの後ろにいた信長は圭に向かって唱えた。
圭「…それ以上の行動は第7規約魔術乱用違反に反し…」
ジオン「魔術乱用違反…」
ジオンは少しは知っていたようだった。
圭「消します…」
圭はそう言った。
ジオン「フフ…やってみな。信長!」
ジオンは少し口調を強く言った。
信長「元真滅消燭癌泰辣…」
信長は唱える。
圭「ペラペラ…」
圭もすごい早さで詠唱する。
ジオン「さすが一級術師。詠唱が早いね…。だけど…」
圭「ペラペラ…」
ジオン「ヒールクエイク、アースクエイク、 森の神よ、地の神よ、我に従い、生きとし生けるものを破滅に導かん」
ジオンも詠唱し始めた。
圭「パラレル…」
ゴォォォ…
信長「黒重力!!!」
ガガガガガガガガガ…と島には大きな音が次々と鳴り響く!
ジオン「ナチュール・スポイル!!」
白くの地面の周りから出てきたもの全てが圭を包み込もうとする。
ジオン「さすがに二人がかりはきついよね?」
ジオンは確信の笑みを浮かべて言った。
ジオン「お兄さんの魔術はみたことないものだね。だけどこれで…」
圭「…」
圭の魔術は少し押されていた。
圭「気持ちだ…」
ジオン「はぁ?」
圭は正気に戻っていた。
しかし、もともとの黒かった目はもはや青い目をし、今までにないオーラをだしていた。
圭「気持ちで何もかも打ち砕く」
もも「…」