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第6話


それから数日後、ハイティは、王城の一角にいた。その部屋の名は「鑑定室」


魔物襲撃の騒動は、とうの昔に鎮圧された。


しかしハイティは小一時間、延々と警護隊からの事情聴取を受けた。


警護隊は、首をかしげる。

~~~

「それでなんで、君は無傷なんだい?」

最初は優しかった彼らも

~~~

「だから、無傷でいられるわけがないだろう!」

時間が経つにつれ、まるで罪人に対するかのような扱い。

~~~


埒が明かなかった。


宮廷鑑定士のもとで、スキル鑑定を受けることになったのである。


宮廷鑑定士は、王直轄のスキル鑑定機関だ。


権威があるのは当然のこと、その鑑定結果に対する世間からの信頼も厚い。


大して恰幅が良いわけでもなかったハイティではあるが、その身に起こったことは、冷静に見れば、


「ハイティには、文字通りキメラの歯が立たなかった」


そういうことだった。


何らかの能力が疑われたのだ。


宮廷鑑定士3人から、事情聴取さながら、いろいろなことを聞かれるハイティ。


当然、話はグレンたち旧パーティーとの行動にも話が及ぶ。


「あなたは、どんな冒険をしてきたんですか?」


「はい、とにかく味方にバフをかけまくっていました」


今までの冒険人生を洗いざらい話すハイティ。


~~~~

「じゃあ、あなたは戦闘では前線で戦ってないのに、傷を負っていたと?」


「はい」


「さらに、味方の皆さんは初心者にもかかわらず、長い戦闘を経ても傷一つ負っていなかったと?」


「はい・・・」


「今までパーティーが窮地に立たされたことはありますか?」


「はい・・・そういえば、ある時、我々では歯が立たないと思われたハイオークに襲われたことがありました。」


「それで?」


「はい、向こう見ずのラッティが、ハイオークから逃げ遅れ、我々からは見えないところで襲われ、次の瞬間すごい音がしました。食われたと思ったんです。そしたら、そのあとすぐに草陰から無傷で走って逃げてきたんです。」


「ほう・・・」


こんなやりとりが続いた。




鑑定士どうしでのやりとりが漏れ聞こえてくる。


「私は、この者は仲間の死を一人で肩代わりしたのではないかと思案するが・・・」


「なに?では、あの能力がこの者に備わっていると!?」


「私もそう思う。いや、そうでなければこの者の今の状態が説明がつかない・・・」」


~~~~~~


数時間ののち、鑑定室では厳かに事が行われようとしていた。


鑑定結果の通知である。


鑑定結果は紙1枚で渡される。もちろん、宮廷鑑定士のお墨付きだ。





「それでは、鑑定結果を申し渡します」





鑑定結果が、ハイティに書面で渡され、それが一人の宮廷鑑定士によって音読される。


「冒険者ハイティには、次の2つの能力があることが、鑑定により明らかになった」



なになに?


先を急ぐハイティ。



鑑定書には次のことが書いてあった。


___________________________________


冒険者ハイティには、次の3つの能力があることが、鑑定により明らかになった。


能力は次のとおり

【サクリファイス】:半径100m以内の味方が受けるダメージを100%自身に転送する。

【不滅】:HP 99,999 / 99,999、一定の確率でスキル『鉄壁』が自動で発動する。このスキルが発動すると、あらゆる攻撃をはじく。

【特級支援魔法術師】:支援魔法が「通常の数十倍の効果」と「特別効果付随」を併せ持つ


なお、当該能力は3つすべてSランクである。また、これらの能力は隠しパラメータであり、パーティーは当然のこと、本人にすら開示されないものである。



 

グレゴロ暦1026年〇月◇日  宮廷鑑定士一同




____________________________________





(・・・・・・・・・え?)





たじろぐハイティ。


それもそのはず、すべて見たことも聞いたことも無い能力ばかりだ。


特にSランク能力なんて、これまでの1年弱の冒険人生で、周囲に噂すら聞いたことも無かった。


しかも、その能力が3つ。


ダブル役満どころか、トリプル役満である。


突然めまいを覚え、ふらつくハイティ。


鑑定室の床に倒れこみ、意識を失うのであった。






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