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第15話


王都の地下深く。そこに、一人の少女・リアが拘束されていた。


彼女こそ、『211号兵器』であった。


そう、人間兵器である。


人間兵器とは、これいかに?そう思われるかもしれない。


暴走するバーサーカーのようなものだろうか?


・・・しかし、話はそう単純ではなかった。



__________________




彼女は、禁忌魔術「終焉のラグナロク」の適性を持って生まれた。


ラグナロクは、文字通り根源的な破壊をもたらす魔法だった。


それは、とある世界線では「核」と呼ばれる兵器に相当する威力だった。


しかし、その魔法は「発動の対価として、術者の肉体を内側から焼き尽くす」という呪わしいものだった。


・・・つまり、『211号兵器』とは


①211号兵器=リアは、破滅的な魔法を発生させることができた。


②しかし、魔法を使うたびに骨が砕け、内臓が焼ける激痛をおぼえる。


そういう諸刃の剣の少女だったのだ。


破滅的な禁忌魔術は、国から最大限に警戒されるに足るものだった。


ある日、宮廷鑑定士に『発見』された彼女は、当然、国家の監視下に置かれることになった。


以来、周囲からは「歩く究極自爆兵器」と恐れられ、彼女自身も「私は生まれてこなければよかった」と心を閉ざしている。


・・・そう、絶望した彼女は、周囲からいつ自暴自棄になって「自爆」するかわからない。


このため、彼女は国に拘束されながらも、比較的手厚い保護を受けていた。


しかし、「兵器」として扱われていることからもわかる通り、危険物として地下奥深くに隠されていた。


そんな経緯であった。


________________________




ハイティは、この少女の「護衛兼監視」を任された。


もちろん、ことの経緯はすべて担当官から聞かされた。


『ハイティが発見された』その当時、鑑定士たちは考えたのだ。


(【サクリファイス】を持つハイティなら、彼女の自傷ダメージを吸い取れるのではないか?)


おまけに、彼は【不滅】である。どんなダメージであっても、それに耐えうる性能を持ち合わせている。


つまり、


(彼女の壊滅的な魔法と、彼のもはや聖域といっても過言ではないダメージ吸い取り防御能力をもってすれば・・・)


そんな打算的考えだった。


_______________________



ハイティは、地下奥深くへと進んでいた。


階段を降りていくとそこには、大きく厳重な扉があった。


ギギギギィィィィイ!


扉が開かれると、そこには一人の少女とその取り巻きたちがいた。


少女が言う

「だれ?」


「はい、自分は特務騎士団長のハイティっていいます」


「・・・ち、近寄らないで!」


「どうせまた実験でしょ?もう実験はこりごりなのよ!」


「私の痛みを知ってるの?知らないでしょ!」


にべもない。


しかし、ハイティは意に介さない。


「知ってるよ。リア。リアっていうんだろ?宮廷鑑定士たちから聞いているよ。」


「・・・すべて、知っている。すべてだ・・・安心してくれ」

ハイティは優しく言って、リアのもとへと歩みをすすめる。


リアは自分に近づくハイティに叫ぶ。


「近寄らないでっていってるでしょ! 私が魔法を使えば、あなたも死ぬわ!」


しかし、ハイティは笑って彼女の前に立った。


そして、言った。


「大丈夫だ。これから、君の『痛み』は、俺がすべて引き受ける」


「・・・君は兵器じゃない、一人の女の子だ」


リアのもとへと、手を伸ばすハイティ。


少女は、最初は怪訝な目でその手を見ていた。


しかし、ハイティの真っ直ぐな視線にあてられてか。


・・・恐る恐る、その手を握った。




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