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前世の記憶は役立たず!~エルフに転生したけれど、異世界が世知辛すぎる~  作者: 藤 野乃
スローライフ所望のエルフ

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会合②


「依然として、転移及び転生者は圧倒的にチキュウのニホンという地域に集中しており、十七ページのグラフの通り昨年度は倍に跳ね上がって──」


 転移及び転生者の出自に関する統計だ。

 去年は例年の倍いたと言うけれど、それは多分アルシアで起きた集団転移のせいじゃないかな。


 地球・日本からというものが全体の六割という数字はものすごく偏っている。

 日本以外の地域を加味した場合、全体の七割が地球由来となる。


 次点ではミザンという星由来の人々が一割。

 同率でホーンという星由来の人々も、一割。

 後は少数ながら様々な星の文明が計測されている。

 私が思うに、出身を明かしている人がそもそも少数派なので……この資料の数字は当てにはならない。


 (で、日本は独自の文化により転移、転生共に無防備に口にする。……声が大きい人が多いから数がいるように見えると)


 地球以外の人がほとんど発見されてないのは、本人たちが言わないからだ。

 比率でいえば、地球だけ多いのは絶対おかしいのだ。

 おそらく同率で様々な星からの干渉はあるはず。


「お姉さんは、転生? 俺はホーンからの転生なんだけど」


 先ほど隣に座った若いエルフの男性が、聞いてきた。


「現地エルフよ。転移と転生に興味があるもので」


 ホーンはカルミラの出身世界でもあるわね。

 確か元々魔法の概念がある世界のはず。


「ホーン……元から魔法がある世界よね」


 若いエルフの男性の前世はホーンという星の住民だったようだ。


 ホーンの人々は魔臓は持ってないけれど、自然界に存在する魔力を活用して魔法を行使していたと言う。

 あと人間に近い種はいるけれど、どっちかと言うと小人系。

 寿命は三百年とちょっと違う感じね。


 地球は驚くほど種族が少なく、他者と言語を介してコミュニケーションをとる知的種族は人間のみという単一種族が圧勝している星だ。

 たまたま、この世界に地球でいう「人間」に限りなく近い種族が存在したから気軽に馴染めているだけだ。

 この世界に最初からいる「人間」は魔臓を持ち、遺伝する色彩も比較的地球人より制約がない。

 近種である獣人などと子をもうけることも可能だ。


 地球人と現地の人間に関しても……子供を持てることは既に分かっているけれど。

 生まれた子は全て魔臓持ちの子になるという統計も興味深い話だ。


 (地球人、更に日本人がちょっとフレンドリーというか無防備過ぎるだけって話ね……)


「去年は勇者召喚のせいで時空が乱れて、転移者が多かったって専らの噂だけど」


 フレスベルグのせいよ、厳密には。


「らしいわね」


「去年、ホーン出身の転生者ゼロだったんですよ、転移者は二名」


「え、少なくない?」


「そうなんですよ。ミザンは多めだったしチキュウなんて倍以上だったのに」


「へえ」へ

 

「俺の隣にいたエルフのオッサンは、デジュカの大学の先輩で、ホーンの研究をしてて。その流れで俺も異世界研究会に入ることになって……」


 どっか転移していったエルフね。

 帰ってこなさそうだけど。


「あの人、やっと出禁解けたのに……」


「え、出禁っ」


 私は分厚い資料の端を指で整え、頷いた。


「ここ数回の会合には出ていなかったはず──このコミュニティのエルフは私と彼しかいなかったわけだし、それは間違いないわ」


「お姉さんの隣りにいたエルフは全く見たことなかったけどね」


「そうね、あの子どういうルートで来たのかしらね。また会うことがあれば聞いてみましょう」


 黄色いものを拒否したツケは安くなさそうな気配がしてきたけれど、顔見知りってだけでよく知らないエルフのした事だから知らん顔しとこ。

 私はじっくりと予定表の確認をすることにした。


 (興味がありそうな発表は西講堂に集中してるから、午後からは西を中心に覗きましょうか)


 今回は東、西、南の講堂三ヶ所で講義や発表があるようだ。

 勇者関係のせいでイレギュラーが多く発生しているので、みんな例年より抱えている案件が多いようだ。


 異世界研究会は人間社会に根ざす団体なので、勇者は純粋に『魔王を打ち倒す勇者』という認識である。

 魔界側のような視点ではないので、発言には注意を払わなくてはいけない。


 勇者召喚の影響で磁場が狂ったのではというのが人間社会の認識である。

 決してフレスベルグが雑なことをした弊害だと言ってはいけないのだ。

 

 

 

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― 新着の感想 ―
何も言えない 話しちゃいけない ってつい歌ってしまう回でした笑
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