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《200万PV感謝》前世の記憶は役立たず!~エルフに転生したけれど、異世界が世知辛すぎる~  作者: 藤 野乃
アルシア王国に移住するよ!

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国民証ゲットォォォ!!!

顔だけ洗っていけばいいか。

サッと顔を洗って歯磨きして、着替えやすい深緑のワンピースに着替えてリビングへ。

前もって届けられていた王家の紋章入り特大スカーフをニーヴの首に巻く。

紋章が見えるように、の注意書き通り

角の紋章が良く見えるようにね。

王子のテーマカラーなんだろうか?

艶のある紺色のスカーフは厚みがあってひんやりした質感。

真珠の色みたいな糸で紋章が刺繍されている。

真っ白なニーヴに良く似合ってる。


「さあ行くよー」

ニーヴは機嫌良く着いてくる。

「ニーヴ」

私は森に転移して街道に出る前に言い聞かせた。

「ニーヴが悪さをしないのはわかってる。だけど、王子にあなたを正式に渡す前に私の言うことを聞かずにトラブルを起こしたら」


ニーヴの顔を両手ではさんで目を合わせて告げた。

言うことを聞かなかったら殺すよ。


ニーヴは必死に目を逸らし、プルプルと震えた。


「怖がらなくてもいいのよ。いい子にしてなさい、王子に会うまでね」


アルフォンス殿下のお屋敷は街の中心街にドーンと建っているわけではなくて、ちょっと外れにある。

比較的、家から近い側にあるので時間には遅れず到着した。

遠くから見えていたのか殿下自らのお出迎えだ。

ニーヴはとても喜んだが、さっきの脅しが効きすぎたのか私から離れてはいかない。

さすが頭のいいフェンリルだ。


「ジューン!良く来たね。さあ、入りたまえ」

王子の金髪が太陽を反射して輝いているようだ。

大きなエントランスを通り、豪華な装飾のお部屋に通された。

香りの良い紅茶が出される。

運んできたメイドは襟のつまった黒いロングワンピースに装飾の無い白いエプロン。

そう言えばフリフリのエプロンやミニスカートのメイド服って、この世界じゃ見たこと無い。

今まで見たことのある総てのメイドさんは、靴先さえ見えないくらいのロングワンピースだ。

実にシンプルな装いである。

役職を表しているのか、小さな刺繍あるシンプルなヘッドドレスが頭に着いているけど

髪の毛はきっちり纏められており後れ毛一つ見当たらない。


「さて、揃ったかな」

アルフォンス殿下

カイ

事務官2名

執事1名

私

ニーヴ

この部屋に居るのはこれだけ。


契約内容はカイを通して何度か話し合っているので、既に魔法紙の契約書が用意されている。


小難しい言い回しで記載されているが

要するにこういうことだ。


ジューンはニーヴの監督権をアルフォンスに委譲する。

アルフォンスはジューンに国民証(平民)を発行する。

ジューンはアルシア王国に対し悪意ある行動は起こさない。

アルフォンスはジューンがトラブルに巻き込まれた場合、公明正大に調査をする。

カイと交わした魔法契約は破棄される。


殿下、私、事務官2名が魔力を通して契約が締結されると殿下とカイを残し、事務官と執事が退出した。


私がニーヴに「よし」と言うと、ニーヴは大喜びで部屋を走り回ってから、殿下の横に座った。


「さて。これが君の国民証だ。魔力を通したまえ」

銀の盆に乗ったカードが私の方に押し出された。

白っぽいソレに魔力を通すと、カードはフワっと淡く光った。


「本題に入ろうか。受けるか受けないかは君の自由としよう」

アルフォンス殿下が話し始めた。


「知ってるとは思うが。私は正妃の子ではなく第2側妃の子でね。

ああ、面倒事ではないから安心したまえ。

私は既に継承権を放棄しているからね」


王権争いに巻き込まれるかと思ってビビったわ。


「前にも言ったと思うがこの街で何かが起きた場合…私の指揮下で動いて欲しい、ということだな」


「この街限定で有事の際、ですよね?」


「そうなるな。君がその時にこの街に居るか、来れる状況の時という条件で良い」


「その場におらず、助力出来なかった場合の罰は無いという事でいいなら。」


もう一つの騎士団が関係あるのかしらね。

まあ、対価によっては受けても良いかな。


「受けた場合の私の益ってなにかしら。それによっては受けても良いですけど」


「受けてくれた場合は君のそのカードに私の紋章を入れよう。王都に入るには平民カードだとまた許可証が必要になるが」

アルフォンス殿下は実に悪い顔をしてニヤリと笑った。

「王族の紋章があればそのまま入れるぞ」


良いですねえ、悪くない。


「更に一般人には許可されてないレベルの施設も一部利用可能だぞ。」

図書館の閲覧制限かかってる物とか、植物園の立ち入り禁止エリアとか。


「お受けします」


結構良い条件じゃない?

王都には是非行ってみたいし。

国民カードの裏に殿下が紋章を押して魔力を通すと白いカードの縁が濃い青色になった。

これでこの平民カードは特別製なのね。


魔法契約を終え、午後からは領主への挨拶だ。

私は別室に案内され、メイドさんに囲まれた。

全身磨き上げられ、花の香りの香油を塗り込まれ…という事は起こらなかった。

年配のメイドさんが私を一通り眺め

「……いいでしょう」と言ったからだ。

用意されていたのは王道のプリンセスラインのドレスだった。

胸元はボトルネックで露出は控えられている。

首回りの銀色から始まって、スカート部分は薄絹を重ねてふわふわだ

首から裾まではグラデーションで紺色になるようにかなりの量の繊細な刺繍が施されている。

フリルやリボンなどの装飾品は無いが、相当手がかかっているドレスだ。


プリンセスラインか…コルセットか…

やっぱりコルセットはするようだ。

息を吐いてー吐いてー…ほんとコルセット考えたの誰よ。

これって拷問に近い気がする!


「腰が細くてようございました」

年配メイドさんが"そんなに締め上げてないんだからガタガタ言うなよ"というお顔で言った。

アフタヌーンティーという事でスカートの膨らみは控えめとはいえ、ドレスはドレスだ。

正直、相当重い。

パールで飾られた濃紺のヒールを履いたらお着替え終了だ。

顔にくっついていたパックを剥がされ、まじまじと私の顔を眺めたメイク担当のメイドさんが

「お化粧しようがない!」と年配メイドに泣きつき、結局つけたかどうかわからないくらいの薄い頬紅と艶出しの口紅を塗っただけで終わってしまった。

年配メイドが渋い顔で「直す部位も強調する部位もございません」と言ったので

「つまり美人って事で良いのかしら」と聞くと

「非の打ち所がございません」ですって。

だって、私は美しさしか褒められないエルフ族だからね。

髪はハーフアップにして夏のかわいらしい小さなお花で飾られた。

白が基調で黄色、オレンジのアクセントがとてもかわいらしい。


雰囲気は清楚そのもの。

似合ってるけど重くて倒れそう。

私はこっそり身体強化の魔法をかけた。

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