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333/333

333. ビューンでスポーンでシュン(意味不明:ディーくん)

ブラック・トレント討伐作戦をディーくんが考えたようです。

説明がイマイチ意味不明ですが・・・・・

第四章 氷雪の国と不良王子(333)

  (アンソロ編・氷樹地帯)



333.ビューンでスポーンでシュン(意味不明:ディーくん)



「ウィン様、再生ではありません。新規10体です。」


僕の頭の中の疑問に対してフェイスさんが的確な情報を伝えてくれる。


再生ではなく新規?

なるほどそういうことか。

倒した10体が再生したのではなく、『黒』が新たに10体の『灰色』を生成したと。

でもそれはそれでやっぱりエンドレスゲームじゃないの?


僕はちょっとうんざりしながら、『灰色』10体とのセカンド・ラウンドに突入した。

もちろんルルさんも戦闘を再開している。


作戦はファースト・ラウンドと同じ。

僕とルルさんが二手に分かれて5体ずつを相手にする。

一度経験しているので二度目の戦闘はスムーズに進み、あっという間に『灰色』を全滅させることができた。


「次が来ます。」


フェイスさんの声が後方から聞こえ、目の前に三度目の『灰色』10体が現れた。


これじゃあキリがないな。

まさに「わんこそば」ならぬ「わんこ魔物」状態。

『黒』を倒さない限り、『灰色』10体がおかわりされ続けるんだろうか。


でも肝心の『黒』の倒し方が不明なんだよね。

誰か『再生』持ちの討伐方法教えてください。

ちなみに弱点になるはずの『核』は見当たりません。

『黒』の魔力が尽きるまで倒し続けるしかないのかな。


「ウィン様、ブラック・アイストレントは氷樹の森全体から魔力を補給しているようです。」


フェイスさんからさらに好ましくない情報が届けられる。

氷樹地帯はかなり広大だ。

ということは魔力の量も半端ないだろう。

つまり魔力切れを狙う作戦も難しいってことになる。


さて、どうしようかな。

いい案が思いつかない。


何度倒しても新規で10体出現するってことは、【魔物生成】のスキルの数的な限界が10なのかもしれない。

いきなり100体とかじゃないのでまだマシだけど、それでも10体が

無限ループのように続けば、こちらの体力のほうが先に尽きてしまう。


う〜ん、ここは一度撤退して対策を立て直すべきか。

戦いながら考えるより、落ち着いて策を練った方がいいよね。

指揮官のアルムさんへの状況報告も必要だし。

問題はどうやって戦闘中のルルさんを止めるかだな。

よし、強引な手段でいこう。

後でグリグリされるかもしれないけど。


4周目の『灰色』を全滅させたタイミングで、僕はルルさんの隣に転移した。

そしてルルさんの腕を掴んで一緒にフェイスさんの隣に転移。

さらにフェイスさんの腕も掴んで3人で氷雪地帯の外、アルムさんの所まで転移した。




「そのような魔物が氷雪地帯に?」


僕がこれまでの経緯を説明するとアルムさんは驚いた表情でそう言った。

ノクセク隊長(緑)とパラン隊長(青)は、アルムさんの背後で口を開いたまま言葉を失っている。


僕は激痛に耐えながら懸命に真面目な表情を保っている。

なぜ激痛かって?

背後からルルさんが僕のこめかみにグリグリをし続けているから。

出力200%くらいで。


確かに問答無用で撤退させたのは申し訳なかったけど、言葉で説明してもルルさん絶対に聞いてくれなかっただろうし。

だからもうそろそろグリグリを止めてもらえませんか。

自分で自分にヒールをかけ続けないとヤバいレベルなんですけど。


「ウィン殿、何か対策はあるのか?」

「考えようと思うんですが・・・頭が痛くて考えられないというか・・・」


僕が涙目になりながらそう訴えると、アルムさんは僕の背後に張り付いているルルさんの方に視線を移した。


「ルル殿、ご立腹は理解できるが、そろそろウィン殿を解放してもらえないだろうか。ブラック・トレントの討伐方法を議論せねばならぬゆえ。お二人の問題は後ほどお二人で解決して頂くということで。」

「アルム、了解だ。ウィン、後でゆっくり話し合いさせてもらうぞ。」


ルルさんはそう言うと、やっとグリグリしている両方の拳を僕のこめかみから離してくれた。


でもアルムさん。

この場を凌いでくれたことには感謝しますけど、問題を先送りしただけですよね。

しかも二人の問題であって自分たちには関係ないと念を押した上で。

同じパーティーのメンバーとしてちょっと酷くないですか。

ルルさんは話し合いとか言ってますけど、絶対に話し合いじゃないですから。


ズキズキと痛むこめかみをさすりながら恨みがましい目をアルムさんに向けていると、誰かが僕の背中をちょんちょんとつついた。

振り返るとそこにはディーくんが・・・いや従魔たちが全員勢揃いしている。


「あるじ〜、みんな反省したから〜、討伐に参加してもいいかな〜」


ディーくんがまったく反省の色を感じさせないのんびりした口調でそんなことを言ってくる。


まあ君たち全員4つ星だからね。

2つ星の『灰色』に遅れをとることはないだろうけど。

でもねディーくん。

それだけだとあの『黒』を倒す解決策にはならないと思うよ。


「あるじ〜、作戦はね〜、ちゃんと考えてあるから〜、大丈夫だと思うよ〜」


本当に?

そんな簡単に作戦を思いついたの?

いまいちノリが軽すぎて信じづらいんだけど。

でも君たちやる時はやる子たちだしね。

やらなくていい時までやっちゃうけどね。


「ウィン様、ディー様がそうおっしゃるのであれば勝算ありでは?」

「ウィン、ディーくん師匠が言うなら大丈夫だ。」

「ウィン殿、ディーくん殿の作戦であれば試す価値があるかと。」


フェイスさん、ルルさん、アルムさんが口々にディーくん支持の発言を連ねる。


ちょっとみなさん、ディーくんに対する信頼度が高過ぎませんか。

まだ作戦の内容を聞いてもいないのに。

確かにディーくんは凄い従魔だけど、けっこうアバウトでいい加減なところもあるんですよ。

とりあえず作戦を確認しておかないと。


「ディーくん、その作戦を教えてくれるかな。」

「あるじ〜、もちろんだよ〜」

「どうやるの?」

「あるじとルルちゃんとフェイスちゃんで3人でしょ〜」

「そうだね。」

「従魔全員を加えると10人だよね〜」

「その通りだね。」

「まず10人で『灰色』を倒すよね〜」

「うん、10体だから簡単に倒せるかな。」

「そしたらね〜、ディーくんが『黒』をね〜」

「うん、『黒』を?」

「ビューンて行って〜、スポーンてやって〜、シュンで終わりかな〜」


うん、全然分からない。

肝心のところが意味不明だよ、ディーくん。


お読み頂きありがとうございます。

次話も来週中に投稿したいと思います。

よろしくお願いします。

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