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7.

定番となったファミレスで、笹島と篠塚は学校から貰ったプリントを目の前にし討論していた。

「笹島は進路票なんて書いた?」

「行ける大学」

言いきった笹島に篠塚はソファ席で横になった。

「もっと夢とかねーのかよ」

「夢があったら死にたいなんて思ってない。あ、やっぱ今の夢は篠塚に殺されることだからそれで頼むわ」

その言葉に篠塚は起き上がる。

「無償でこの俺から殺されると思うなよ」

「えっ!?お金払えば殺してくれるのか!?いくらで?!」

「それは上が決めるのでお答え出来ません」

営業モードの篠塚相手にこれ以上の話を続けても無駄だと悟っている笹島だが、今日は進路のこともあり少し踏み切って聞いてみたくなった。

「生きていることと死んでいることの違いってなんだろうな?」

「さあ?少なくとも死んだらファミレスでこうしてドリンクバーチャレンジは出来ないだろうな」

それは少し寂しいなと笹島は思った。

「ドリンクバー全種類制覇チャレンジ、わりと進んできた気がするんだけどどう思う?」

「………お前、正確に数えてなかったのかよ」

「上から順に飲んでた」

「適当~」

篠塚とだらだらする時間が笹島は好きだった。

「そういや篠塚は進路なんて書いたんだよ」

「俺?今のバイト先に就職か行けそうな大学適当に書いとく」

まだ謎の組織に所属するどころか就職する気なのかと思ったし結局篠塚も無難に行ける大学を狙うのかと笹島は思った。

二人の学力は同等程度なので下手したら幼稚園から高校までどころか大学も一緒になるかもしれないなと笹島は期待した。

そして、そこまで一緒にいてもまだまだ分からないことだらけの篠塚を少しでも知りたいと思った。

大学生になったら何かかわるだろうか?

もっと親しくなれるだろうか?

謎の組織のことがわかるだろうか?

とりとめのない未来を思い描いては消して、笹島はドリンクを飲み干し、新たなドリンクを入れに行った。


このあとは期末テストの勉強会と決まっている。

少なくとも同じ時間を許されているくらいには、LINEを知る程度には、風邪をひいたとLINEしたら見舞いに来てくれる程度には仲がいい、親しい友人のはずだ。

それなら、胸を張って篠塚の隣に立てるようになりたいと笹島は思った。


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