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婚外恋愛  作者:
48/84

いつも想う

 朝から雨が降り続く。

 春はもうすぐそこまで来ているけど、今日は雨でいつもよりぐっと肌寒い。

 今日はバイトもお休み。

 久しぶりにおうちでまったり……と、思っていた。


 私はとあるカフェにいた。

 カフェというよりは喫茶店みたいな感じ。

 来る人ほとんどがナポリタンを頼むナポリタンが有名なお店。



「ごめん、待った?」


「お疲れさま。 いや、私も今来たところ」



 私が入ってすぐぐらいに、宮坂さんがやって来た。


 営業途中でお昼休みに待ち合わせ。

 スーツ姿の宮坂さんを見るのは久しぶりだ。

 この前言っていたカフェに誘われたのだ。



「また営業行くの?」


「行くけど、時間が夕方。 だから今日はゆっくりお昼食べれるんだ。 こむちゃん、ここ来た事ある?」


「ないない。 ほとんどナポリタン頼んでる……。 ナポリタンがおいしいんだねーー」


「そうなんだよ。 こむちゃんどうする?」


「是非ともナポリタンにするよ」



 そう言ってナポリタンを二人ともオーダーした。


 しばらくするとおいしそうなナポリタンが運ばれて来た。


 まだ鉄板の上でジューーっていってる。

 たくさんの具材が入ってて上には目玉焼き、絶対おいしいはずーー!!




「おいしそーーう!! 食べよう! いただきまーす!」



 おいしいーー!!

 どうやったらこんな味になるんだろう??

 食べながら観察してたら、それを見た宮坂さんが、



「どうやって作ったのか考えてるでしょ? こむちゃん、変わらないねーー」


 と言って笑った。


「でもさ、こむちゃんの作る料理はどれもおいしかったよ」


 そう言ってくれた。

 そっか……付き合ってた頃、何度かごはん作ってあげた事あったっけな……。


「ほんと? それはよかった! ありがとう!」


 料理を作るのは好きだ。

 それを褒められるのは嬉しい。


 おいしいナポリタンを食べ終え、満足した私たちは時間もあるのでコーヒーを飲んでゆっくりする事にした。


 見渡すと、サラリーマンの人も多かった。



「サラリーマンの人、結構いるね。 私なんかよりサラリーマンの人たちの方がずっとおいしいお店知ってるかもね!」


「宮坂さんもここ、来たかったんでしょ? 来れてよかったね」



「こむちゃんのおかげ。 念願のナポリタン食べれたし! また誘っていい?」



「いいよ。 そういや、最近よくスイミングで会うけど、有休、溜まってるんだねーー。 忙しいの? 働き過ぎじゃないの? 大丈夫?」



 平日の夕方に子供の習い事の送り迎えなんて働くお父さんはなかなかできない。

 宮坂さんはお休みでゆっくりできるはずなのに子供の送り迎え、子供の為に偉いなぁと思っていた。

 こんな人がいい夫、いいお父さんなんだろうなぁと思っていた。



「まぁ、有休使わないといけないからさ。 こむちゃんは? 最近何かあった? バイトも忙しいの?」



「バイトもそこまで忙しいって程じゃないかなぁ? でも、そろそろちゃんと仕事探そうかなぁ…って思ってるところ……」



「仕事ねーー。 まぁ、焦らずゆっくり探せばいいんじゃない? 話は急に変わるけど、こむちゃんさ、モテるでしょ?」



 急にそんな事を言われた。



「え! 何!? 急に!? モテないよ。 何で……?」



「何か雰囲気が少し変わったから。 またかわいくなった」


「雰囲気? そう? 髪型じゃないのかな? 最近、巻いてたりするから……」



 全否定する私に、


「でも、綺麗になって損はないよ。 周りにそう思われるのはいい事だよ。 俺だったら自慢しちゃうな。 自分の彼女や奥さんが綺麗でかわいかったら……。 あ、でも誰かに狙われるのは困るけど……」



 そう言って笑っていた。


 実は宮坂さんが言った、【最近何かあった?】に若干ひっかかった。

 せいさんを想ってやっている努力。

 でもそんなに目に見える変化じゃないと思うんだけど……。


 宮坂さんを目の前にせいさんを被せてしまう。

 あの夜の事を。

 好きが溢れ、求めあったあの日。

 何でせいさんはいないんだろう……。

 こんなに私が求めるあの人はいないんだろう……。



「こむちゃん、どうしたの?」


 一瞬考えて曇った私の顔をまた宮坂さんは見逃さなかった。

 ほんと、宮坂さんには敵わないなぁ……。


 けど、宮坂さんがいるのにせいさんの事を想ってるなんて……重症だな……。


「あ、ごめん! 何でもないよ! さぁ、出よっか!」


「そうだね。 俺も仕事行くよ」


 外はまだ雨が降る降り続いていた。


「結構雨、降ってるね。 こむちゃん、気を付けてね! またね!」



 宮坂さんは営業車に乗り込み、仕事へ向かった。



 私は車に乗り込み、DMをチェックする。

 せいさんからは来ていない。



「せいさんが今、そばにいてくれたらいいのに。

 会いたいな。

 今度が待ち遠しいな。」


 そう送ってスマホを閉じた。

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