終わりの始まり
DMのやりとりももう1年になった。
やりとりは続くものの、最初に比べると毎日ではなくなっていた。
変わらず楽しく話してはいるけれど、話していて何かを聞き返してもその後やりとりが途絶える事もあって、私自身も聞いて欲しくない事だったのかな、と思いそれ以上聞かなかったりという事もあった。
大して気にしていないつもりが、それが後々自分を苦しめる事になる。
DM繋がりの相手は当たり前だけど、DMの情報が全て。
話している事以外はないし、その全てを信じるしかない。
だから深入りしない、私は最初からそう思っていた。
ただ、思ってた感じと違った。
知らない人とこんなに話す事あるんだ。
それも楽しみにしている自分。
慎重な私があり得ない。
今までの自分が自分じゃないみたい。
せいさんの事を考える時間が多くなる。
仕事中には迷惑もかかるといけないから連絡は私からはしない。
せいさんの職業柄、いつが仕事中でお休みで夜勤で、というのがわかりにくい。
私は待つしかない。
待ってる時間、それも楽しかった。
今日は何話そうかな、これ、話しておきたいな……そういう事をよく考えていた。
けど、話したいと思っていても連絡が来なかったりする。
もう話そうと考えていた話ができないくらい時間が経ってしまう事も。
タイミングって大事だな……。
せいさんが仕事の休憩中に連絡をくれたりすると、その時は私を思い出して連絡してくれてるのかな、と嬉しく思ったりしていた。
そんな時もあれば、帰宅の連絡だけだったり、随分連絡がこなかったり……。
そんな感じが数ヶ月前続いた。
私はこんなのでいいのかな……?と思い始めていた。
私はどうしたいんだろう?
せいさんはどうしたいんだろう?
ドキドキさせてどうするんだろう?
そこに意味あるのかな?
『好き』という2文字は言われた事はない。
『大事な人』という言葉だけ。
「ベッドに押し倒してキスするよ。」
話の流れでそんな話になった。
せいさんの気持ちが知りたくて、
「ベッド? どこの?」
と、聞き返したが、
「どこのだろうねー?」
と、はぐらかされる。
そういう事って普通、ホテルでする事じゃないの?
私はそれしか浮かばなかったけど…。
私って、『そういう』対象なのかな。
私は、私という人にもっと興味を持って欲しくなった。




