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婚外恋愛  作者:
12/84

ファーストコンタクト

 何で返しちゃったんだろう……。

 私は自分のした事が理解できずにいた。


 DMを眺めていたのは覚えているけど、その後、どう思って返信したのかよくわからない。

 さらっと返信した感じ?

 その、『さらっと』が、私ではあり得ない!!

 慎重なはずなのに……。


 考えてもよくわからないし、返信したから何だ?って話だし……と思い直し、その日は早めに就寝した。

 

 SNSは昨日、返信してしまった後すぐログアウトしたまま。


 翌日。


 いつもの朝、みんなが必死な時間。

 いつもと変わらない朝で朝から大忙し。

 私は昨日の事をすっかり忘れてしまっていた。


 やっとみんな出て行って静かなリビング。


「あったかいコーヒー飲もっと。」


 コーヒーのいい香りがリビングに充満する。


「ふぅーー。 疲れたーー。」


 ようやくソファーに座り大きな息を吐く。

 リビングから見える外の景色や空を眺めるのが私の日課の一つ。


 景色が特別綺麗な訳でもなく、どこにでもある普通の景色。

 何も考えずボーッと空を見たりするのが好き。

 

 ずっとボーッともできず、さっき朝ごはんが終わったばかりなのに今度は夜ごはんの献立を考える。

 

 うーん、何があったっけ!?と冷蔵庫の中身を思い出し、ネットでレシピ検索してみようとスマホを取った……その時、昨日返信した事を思い出した。


 私はログインしてみた。


 返信が来ていた……。


 え!

 ほんとに来てしまった……。


 正直、そう思った……。

 

「こんにちは。

 返信ありがとうございます。 

 こむちゃんさんはいくつですか? 

 私は48歳です。」


 私はユーザー名を【こむちゃん】にしていた事すら忘れていた。

 その人は、【せい】さんという名前らしい。


「私は43歳です。

 私、DMもらって返信したの、せいさんが初めてなんです……。 

 こんな感じで合ってます? 

 すみません、よくわからなくて……。」


「全然大丈夫ですよ。 

 じゃあ、同世代という事で敬語なしにしましょうか!」


 そんな感じで、せいさんとのDMでのやり取りが始まった。


 せいさんは、地元が一緒で今は近県で公務員をしているらしい。

 こちらに両親がいるので、1年に何回かは帰って来ていている、帰った時はせいさんの実家近くのショッピングモールにぷらっと行く、と言っていた。


 そのショッピングモールは私のうちからも近く、もしかしたら、そのショッピングモールですでにすれ違ってたかも知れませんね、と、私も話を続けた。


 私は、今は仕事を辞め専業主婦をしていて子供がいる事を話した。

 

 せいさんは夜勤があって、今日は明日の夜勤に向けてゆっくりしているとの事だった。


「じゃあ、体力温存しとかないといけませんね。

 ゆっくしりてくださいね」


 私はそこでやりとりを止めた。


 敬語なしにしようと言われたけれど、私はせいさんという人に慣れていない事もあり、終始、差し障りのない敬語だった。

 

 まだまだ初めての人は慣れない。

 しかも、顔も知らない人。

 相手の情報がない人と話す事にまだ楽しさみたいなものはなかった。

 ただ、年上でよかった。

 年上の方が相手に任せればいいから自分はあまり考えなくて済むのかな、と思った。


 せいさんは、文面だけだといい人なのかなという印象だった。

 悪い印象はない。

 まぁ、最初から悪い印象を出してくる人も少ないと思うけれど、ひとつ安心した。


 私は特に自分に引き出しがある訳でもないから、楽しい話を提供できないし、話してて楽しくないと思ったら連絡は来る事はないだろう。


 まだまだせいさんという人を信用していなかったけれど、少し話した程度で終わるだろうと思っていた私はそれほど深く考えていなかった。


 公務員って夜勤あるんだ……気になった事はそれくらい。


 せいさんはどう思ったんだろうか……?

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