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婚外恋愛  作者:
10/84

シフトチェンジ

 地元に戻り、実家暮らしという事に甘えてしばらくゆっくりする事にした。


 映画を観に行ったり、それだけじゃ足らずレンタル屋さんに行って友達おすすめのものを借りてきたり。

 たくさん服を買ってみたり、一人で遠出してドライブに行ったり……。

 けっこう毎日忙しくしていた。

 あの忙しかった大阪での日々が嘘の様にゆっくり時間が流れているのがわかる。

 懐かしくもあるけど、やり切った感もあってあれだけ好きだった仕事の事を考える事もなくなっていた。


 私は職種の違う企業に再就職した。

 大きな支店という事もあり、私が配属された課には同僚の女の人がたくさんいた。

 女の人が集まるのって怖いなぁ……って思っていたけど、みんないい人ばかりで安心した。


 全て一から。

 商品も、システムも、人も、環境も。

 毎日、マンツーマンで教えてもらった。

 全然理解できなくて覚えられず、大きな壁にぶち当たった時もあるけど、辞めたいとは思った事がなかった。


 私の独り立ちの日も決まり、私の担当する特約店も決まり、いよいよ一人で全てを任される。


 順風満帆な訳ない。

 ミスもするし、予期せぬトラブルもある。

 いろんな人から助けてもらいながらだけど、毎日楽しかった。

 前にも感じた仕事の楽しさ。

 きっと私って仕事が好きなんだな。

 そう思った。


 今の会社に入って友達がたくさんできた。

 前の会社は営業所に一人残される事がほとんどでそれはそれで楽だった。

 話す人といえば、電話の相手や、配達のおじさん、配達、集荷に来てくれる運送会社のお兄さん、それくらい。

 お昼も一人で静かに食べるだけだったけど、それが当たり前だった。

 今は周りにたくさん人が居て、いろんなこと教えてもらったり、いろんなこと聞いてもらったり。

 相変わらず恋はせず、恋の話を聞くばかり。

 恋こそないものの、毎日充実していた。

 そんな感じが3年くらい続いた時、私を見かねた友達から男の人を紹介された。

 それが今の主人だ。

 主人は笑いのツボが一緒だった事もあり、一気に仲良くなった。

 何となく付き合い始め……結婚した。

 結婚後も私は仕事は続けた。

 まだ独身気分が抜けきれてない。

 結婚しても自由だった。

 子供もいないからそれでもよかった。


 仕事も楽しくて、結婚しても自由で、旦那さんもいて……。

 そんな時、妊娠した。

 子供ができた事はもちろん嬉しい。

 また会社に復帰しようと思っていた。

 けれど今までの自分を振り返った時、自分は仕事ばかりして来た事に気付いた。

 ここで、仕事から子育てというものにシフトチェンジしてみようかと思った。

 生まれ来る未来ある子供に向き合って育ててみようと思った。


 私は仕事を辞める事を決めた。


 不安しかなかった。

 本当に辞めていいものか?と何度も思った。

 けれど、自分の人生、仕事だけじゃもったいない気がした。

 いろんな事を体験するべきではないか。

 もし、仕事がしたくなったら、その時に考えればいいかな、そう思った。


 私の専業主婦生活の始まりだ。

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