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プロローグ
プロローグ
人々の周囲に常に付きまとう噂。これは形がないくせに様々な姿に変化していく。悪意、善意、見栄などの人の感情で、そこに人の感情がなくても形を変えていく。ぐにゃぐにゃと、跡形もなく、気持ちの悪い姿になる。
まぁ、噂なんていうものは終わりのない伝言ゲームみたいなものだ。仕方ないだろう。
仕方はないと言っても、僕はその性質を厄介と感じてしまい、その性質を疎ましく思っている。仕事上、特に。
都市伝説、怪談を相手取る僕としては。
都市伝説や怪談というものも立派な噂だ。つまり、僕はこれから高校を卒業するまで、この姿を捉えきれない厄介なものを相手にしなければならない。
僕のある目的のために。